第16話


翌日の私の体調は最悪だった。



笑ってお腹が痛いと思っていたのは幻想で、ただの生理痛。



玉っちはやっぱりただのアホで、そんな玉っちに恋に落ちてるわけがない。



食欲がなかったのも、胸がムカムカするのも全部が生理に繋がっていて、失恋なんてそんな繊細なものとは程遠かった。



私は1日のほとんどを机に額を乗っけて過ごし、休み時間のたびに素早く動いてナプキンを変えた。


今まで完全防御で閉まっていた水門が急に全開になった感じ。



なんだか少しクラクラするし、お昼にアズとカノコに励まされてサンドイッチをかじって薬を飲んで、それでも全快にはならなかった。



生理の時にチョコレートは良くないって言うし、さらにシェイクでお腹冷やして悪いのが重なったのかもしれない。



家に帰って水だけで薬は飲んだ。



せめて痛いのを和らげたい。




女子って辛い。




辛すぎる。




さらに失恋しててもっと辛い。




鎖骨が軋むのは、それはさすがに生理痛のせいじゃなくて失恋のせいだと思う。



お腹をさすりながらちらっと眺めた背中は私を振り返らなかったし、その声を聞かなかったなんて今までになかったのに。



生理痛が終わった時に、さっぱりと何もかもの感情が消えて無くなってしまえばいい。



そう願わずにはいられない。





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