音 が『苦』

三半規管を酔わす音楽が

その毒に侵されて

未来さきの分かる僕を止めて

再生ボタンへ誘惑する


ネオンサインの瞬き

目をくらまし、千鳥足

優しい「 」があるのを知りながら

刺激求め、夜へ くり出す

口の端から流れる血

拭った袖口、明日の白を黒く染める


聞いているけど、聴いてない

消耗気味のその音楽おと

僕を重ね、流され、裏切っていく

光速で流れてゆく世界

息を詰まらせ、消えていく

泡になった、僕の命

きっと自由に蝕まれてく


Hi でうまれた産業廃棄物

Low で生み出すうたに乗せ

♭《フラット》では生きられない僕は

もぎられ、散っていく


曇天に舞い上がる、

幻の夢託した 紙吹雪

濡れて、踏みにじられてく

映る世界は、モノクローム




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