第9話覚醒

「ルーは威圧をしろ、ローズはその間に出来るだけ攻撃をしてくれ。シエロはローズの邪魔にならないように魔法攻撃だ。」


指示をだすとルーが威圧を発動する。するとゴブリンジェネラルは硬直をし、その隙を狙いローズとシエロが攻撃をし始めた。威圧はLv1だから10秒もないだろう。

実際5.6秒でゴブリンジェネラルは動き始めた。


威圧のインターバルは10分だ。もうこの戦闘では使えるかわからない。


「ルーは回避優先でヘイトを集めてくれ!」


ゴブリンジェネラルの攻撃はあたればかなりの威力だ。ルーの盾が粉砕していることから一撃でも貰えば戦闘不能になるだろう。ここで無理に攻撃をしてゴブリンジェネラルからダメージを貰えばシエロとローズが狙われて立ち回りが苦しくなる。この3体での連携が肝といえた。


なんとかルーが避けタンクとして役割を持ち、その間ローズとシエロがちまちまと攻撃を積み重ねていくが甲冑がある為そこまでダメージが通っているとは思えないな。

このままだとジリ貧だ。


「ゴブゥーー!」


この状況に苛立ったのかゴブリンジェネラルが怒声をあげた時おもったら周りに紫のオーラが出てきた。

あれは!?狂化か?


【狂化】理性を失う代わりに身体能力があがる。  


Lv1でも1.3倍だ。攻略者にとって狂化スキルはデメリットになるがゴブリンジェネラルは単体なので問題ない。非常に厳しい展開だ。


ゴブリンジェネラルのヘイト先はルーのままだが、裁ききれていない。ルーだけじゃなくローズにもヘイトを集めてもらうか?そう考えているうちにルーが裁ききれずにゴブリンジェネラルの剣撃により吹き飛ばされてしまった。なんとか息はしてるものの戦闘復帰は無理だ。


「ローズしばらくヘイトを集めてくれ!どうするか考えたい。避けるのに集中してくれ。」


「う、うん。やってみるね」


3体でも厳しい状況だったのに2体‥そしてシエロの魔法攻撃もLvが低いから決め手にかける。

まずい、なんとしてでも通路の方へ逃げるべきだったか?それとも転移アイテムなりを狙って装備・アイテムガチャを回すべきだったか。

戦闘中なのに後悔という思考が押し寄せてくる。駄目だ、このままだと全滅だ、


「ますたー!!にげてっ!!!」


ローズの叫声が聞こえ、我にかえるとこちらにゴブリンジェネラルが向かって来ていた。


「‥あ」


頭が真っ白だ。身体も動かない。死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死にたくない、死ぬ、死にたくない。怖い、死にたくない。嫌だ嫌だ、死にたくない


死ぬ恐怖がきた頃にはゴブリンジェネラルは狂喜の顔でこちらを見ながら大剣を振り落としていた。


「‥ぁあ、嫌だ、死にたくない死にたくない」


結城との楽しかった思い出、家族もの思い出、その他友人、最近出会い名付けをしたルー・シエロ・ローズの走馬灯が見えていた。スローモーションで流れていく景色。

絶対的な死の直前


「マスターは殺させないよ。豚さん。」 


甲高い音と共に何かが壁と衝突した。

絶対的な死を回避できた途端足が震えてそのばにへたりこんでしまった。何故かゴブリンジェネラルが吹っ飛び、ローズではあるが愛嬌の声ではな美しい声を聞いた。

目の前には手には鋭い鉤爪、肩まで鱗があり背中には龍翼、地面に届いている堅そうな尻尾。後ろからでもわかる綺麗な赤髪と2本の角。直感的にローズなんだと理解した。


タブレットがバイブレーションしみてみると

『覚醒スキルが一時的に解除されました』


【覚醒】本来の力を取り戻す。


覚醒と【ランク??】は関係あるんだろうと思ってはいたが確証をえたな。



【名前】ローズ

【種族】ドラゴニュート

【ランク:S】

【Lv 100】

【戦闘力】9900

【スキル】

覚醒

龍化

限界突破

身体超強化Lv10

魔力超強化Lv10

体力超回復Lv10

魔力超回復Lv10

全耐性Lv9

格闘神Lv10

龍魔法Lv10

飛翔Lv10

縮地Lv10

龍眼Lv10

【装備】

---


全てがぶっ壊れである。

もう思考がストップしてしまうレベルで酷い。


「マスター。すぐ終わらせるから待ってね。」


ローズが片腕をゴブリンジェネラルの方へ伸ばしそう言うと一瞬でその手にはゴブリンジェネラルの頭部が握られてあった。


『【八丁堀ダンジョン】にある隠し部屋のボスを倒しました。経験値とボスボーナスが入ります。Cランクの魔石を入手しました。」

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