第8話窮地②

なんでここにゴブリンジェネラルがいるんだよ?いや、それもあるが前にはジェネラル、後ろにはゴブリンの軍勢。こちらは3体だけだ。やばい、めっちゃやばいぞ。とりあえず挟まれるのはまずい。


「みんなこっちにこい!」


これまで生きてたなかで1番のスピードが出た気がする。ジェネラルも余裕をかましてるのか追いかけて来る事はなかった。

そのお陰でなんとか壁沿いまでは移動できた。これで挟み撃ちだけはなくなったけど危機的状況には変わらない。ジェネラルがこっちに来る前に少しでもゴブリンの軍勢を減らしておきたい。


「ルー!お前はゴブリンの相手を頼む!ローズはホブゴブリンの方だ。シエロも出来る限り攻めにいってくれ。」


1体1体は雑魚ではあるんだが、数の力は強大だ。ローズとルーが数を減らしてはいるが数体はこちらに来る。シエロは体当たりをしたりで複数との戦いには不向きだ。ここは俺も戦うしかないのか。スキルはモンスターのみに与えられるものだが、Eクラスの低レベルだと武器をもてば人にも対処できない事もない。


俺は通販で買っておいた警棒を手に取り2体のゴブリンに向かってがむしゃらに振り回した。

「おらおらぁ!糞ゴブリン共かかってこいやぁ!」


ゴブリンは俺の鬼気迫る迫力にびっくりしたのか動きを止めた。よし、ここがチャンスだ!


ゴブリンの顔面に思いっきり警棒を叩き込む


「ゴ、ゴブッ」


顔を手で覆っている。凄く痛そうだが、これでこいつは少しの間動かないだろ。もう1体の方は?


と振り返る瞬間、肩に衝撃は走った


「いってぇーーー、よくもやりやがったな!」


肩に痛みはあるが、横腹よりはマシだし動けない痛さでもない。歯を食いしばりもう1体の顔面を2回叩き込んだ。やられたらやりかえすぜ


倒れたゴブリンに追撃と思い更に警棒を叩き込む。警棒無双だ。乱打乱打乱打!


「うぉおおお!死ね死ね死ねぇーー!」


兎に角乱打。そうしていると警棒が空振り勢のままこけてしまった。すぐさま体制を立て直し様子を確認すると俺のサンドバックゴブリンはどうやら死んだようで足元に魔石が落ちていた。


「ははっ、やればできるじゃん俺」


乱戦の中、少しの優越感に浸り緊張が溶けてしまった。目の前に最初に警棒で殴り蹲っていたゴブリンが走って突っ込んできた。

ま、まずい。緊張感は緩んでいた時に突っ込んできたので防御することができない。身体がとっさに動かない。


あ、まずい

恐怖に駆られ目を瞑ってしまった。

「うるとらーぱーーーんち!」

ローズの声と共に爽快な打撃音が響いた。


「ますたー?大丈夫?」

た、助かった?

周囲を見渡すとゴブリンも残り数体のみとなっており、ルーのみで対処している。シエロもこっちに来てぷるぷると不安そうに俺をみている。目はないんだけもな。


「ありがとう、ローズ。シエロも不安にさせてごめんな?」


よし、ルーの助けをしてこちらの様子を見ているであろうジェネラルをなんとかするか。


「ローズ、シエロ、俺たちもルーに加担するぞ!」


「おっけー」


ガキッ!ドガン!

甲高い音がしルーが吹き飛んだ。


「グルル」


ルーが数m吹き飛んだ。盾で防御した為ダメージは低いだろうが盾が粉砕した。


このまま、撤退するべきか?ジェネラルのスピードがわからないからもしかすると追いつかれて戦う事になる。そうなると狭い通路での戦闘だからこちらが不利だ。逆にこの広い空間は立ち回りはしやすい。


相手はCランク1体のみ。対してこっちはD相当が2体とE1体。皆道中、そしてゴブリンの軍団と戦った事によりLvも上がってるだろ。


不確定要素で不利になりえる状況になるぐらいならここでゴブリンジェネラルを倒しに挑んだほうがマシか。


「ローズ、ルー、シエロ。ここでジェネラルを倒すぞ。ローズとルーでジェネラルをアタック。シエロは状況を見ながらサポートをしてくれ。」


俺に出来ることは‥ガチャを引いてみるか。

ここで良いのが引けると状況が良くなる可能性がある。俺にはガチャポイントが6ポイントある。本当は10まで貯めていたがったが出し惜しみはしてられない。


スキルガチャ

武器・アイテムガチャ


さてどちらを引こうか

武器・アイテムガチャは武器がでないときつい。そしてそれがローズ、ルー、シエロが装備できないと意味がない。アイテムは転移系のアイテムやブースト系があるがハズレのティシュが大半を占めているらしい。俺には6ポイントしかないのでかなりの賭けだ。

スキルガチャは当たり枠は魔法スキル。身体、魔法の強化系アップスキル。耐性スキル。他にもいろいろあるが出てほしいのは強化系、魔法スキルだ。


熟考の末‥とりあえずスキルガチャを回す事を決意する。今月は耐性スキルのピックアップが来ていたので通常のスキルを回していく。


1回目‥‥‥熟睡Lv1

2回目‥‥‥ポーカーフェイスLv1

3回目‥‥‥威圧Lv1

4回目‥‥‥火魔法Lv1

5回目‥‥‥棒術Lv1

6回目‥‥‥格闘L v1



なかなかのあたりだ!

熟睡、ポーカーフェイスは使い所がわからないが残りはなかなかにいいスキルと言えるだろ。


威圧は使用時、他の行動が出来なるなるが対象の相手を一定時間怯ませる事ができる。


火魔法はLvが低いと火の玉ぐらいしか出せないがLvが高くなると炎の部屋をだしたり火炎放射器みたいなのが出せるようになる。


格闘はそのまま、格闘戦だと動きのキレ、威力が増していく。


威圧スキルはバランスのいいルー。

火魔法は現状攻撃手段が乏しいシエロ。

格闘はスタイルに合っているローズ。  


即座にスキル習得をさせたが状況がよくなるといいんだが。どうなるか












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