第7話窮地


「結城からの情報とギルド情報もあるし、2階層ならいってみるか」


「敵がきたらぼこぼこなの!」

ローズが頼もしく物騒な事を言ってる。やだ、この娘不良よ不良。


1階層に出てくるホーンラビット、ゴブリンなどを倒して行くこと20分。ルートがわかってるからスムーズに行けたな。

2階層についたが見た感じは1階層と同じだな。

5階層までは1体との遭遇しかないって言ってたしこれはサクサクで良さそうだ。



ダンジョンを攻略し始めて2時間ほど経ち、現在は6層まで来ていた。

道中の敵も強くない為5層まであっという間だ。6層からは2体との遭遇すると聞いていたが、このチームなら問題なさそうだと判断した。実際2体との遭遇になったがローズが単独で突っ込み即座に制圧していた。ローズはガンガンいこうぜ!タイプらしくEランク相手なら複数いても問題ないと思う。Dランクのダンジョンに行くまでにはチームプレイを覚えて貰わないとだが。‥まぁー、おやつを餌に訓練してみようか。


「ローズ、こっちに来てくれ。」


「なあに、ますたー?」


「ここの敵はどんな感じだ?イケイケか?」


「いけいけごーごーだよ!ローズ強いもん!」


「ローズ偉いぞ!そこで強いローズにはお願いがあるんだ。次からはルーと一緒には戦ってくれないか?」


「?ルーと一緒に戦ってるよ?」


「あー。一緒にはいるけど、ローズが強すぎてルーは参加出来てないんだ。ローズだけでも強いけど2人で協力したらもっともっと強くなれるよ。」


「うーん。よく分からないけど、ますたーはうれしい?」


「嬉しいよ。それに2人でモンスターを倒せたらご褒美にお菓子をあげよう。」


「お菓子!?えっとねえっとねローズはグミと飴が好き!」


「なら次に敵が来たらルーと協して倒すんだよ。」


「うん!ローズに任せて!」


とりあえずお菓子で釣ることが出来て良かったぁー。素直な娘でよかった。これならそうとおくないうちに連携できるようになるだろう。

次倒したらお菓子をあげてギルドに戻るか。


その後ゴブリン2体と遭遇し、ルーがゴブリン2体のヘイトを集め、ローズが回り込んで不意打ちパンチを叩きこみ終了した。ローズ単体でも安定感はあったが今回は安心感もついてきた。いい流れだ。


「みんな、頑張ってくれたご褒美だ。飴、チョコ、グミがあるから好きに食べな。ルーにはジャーキーをあげるよ。」

嬉しそうに食べている幼女和むなぁ。ルーも喜んで食べているが、気になったのはシエロだ。ぷるぷると全身を震わせて喜んでるようにみえるが、味覚ないよな?体内で消化するだけだろ。不思議だ。


今日は攻略メインで行動してたこともあり魔石が60個ほどだったが、これでも6000円。ロッカーの代金を差し引いても5000円の利益になるのは凄い。


これはダンジョン中毒になってもおかしくはない。頑張った分だけ成果がでるのはモチベーションがあがる。これならアーリーリタイアとかしなくてもいいかもと思えてきた。


「お菓子食べ終わったら帰るよー。」


「はーい」


「ウォン」


「ぷるぷる」


皆も食べ終わり後は帰るだけだ。

5階層へ降りる階段までいく。

ふと、階段入り口にある壁の模様にズレている箇所があった。


「なんでこの壁だけ他と微妙に模様がずれてんだろ。なんかおかしいぞ。」


壁をペタペタと触っていく。材質はただの岩だし特におかしいところはないな。こういう仕様なのか俺が気にしすぎなだけなのか?

ちょっと押してみるか。


「ルー!ローズ!一緒にこの壁を押してみてくれ。」

ルーは従うように武器を納め隣にこようとしてくれたが‥


「おすよりぱーんち!」


いや、押すよりパンチってどういうことだよ。幼女思考が理解できん。


ドガァーン!!!


思った以上の威力で壁を殴りビビってる俺。そして壁が破壊され岩が流れ落ちてくる音。

土煙が消え視界が開くとそこには奥にすすむ空間があった。


「‥‥まじかよ。こんなところに隠し通路あるんかーい。」


ど、どうしようなんとなく怪しいと思った壁を勢い任せにローズがパンチをしたら新たな空間が現れたぞ!ダンジョン出来て30年!Eランクっていっても30年だそおい!2日目の新人が見つけるってやべーだろ。


「ますたー冒険しよー!きっとこのなかにお宝がたーくさんあるはずだよ!」

ウキウキしながら裾を引っ張ってくるローズ。

行動力やばいって。隠し部屋の中身は気になるが敵の強さとか不明なのが気になる。それでも隠し部屋があるってことは何かしらの財宝が眠ってる可能性が高い。低ランクダンジョンでも期待値は高いだろう。こっちにはDランク相当が2体もいるし。


「危険だと感じたら即撤退するからな。シエロは俺の頭だな、護衛を頼む。ルーとローズは離れてすぎないようにな。」


「いのちだいじにだね!しゅっぱーつ!」


「ルー。悪いがサポートよろしくな。」


持ってきていた懐中電灯を照らしながら入って行く、一本道の通路でゆっくりとゆっくりと前後を確認しながら注意して行く。

だいたい4.500mほど進むと広い空間が待っていた。


「この空間はなんだ?」


呟きながら進み周囲を観察していく。


「っ!?、なんだ!」


進んでいくとこの広い空間の壁周辺に炎が灯っていく。松明がなにか付いていたのか。


部屋の中が明るくなり部屋の奥からぞろぞろとゴブリンの集団が現れた。


「ふざけんな、2.30体はいるじゃないか。それにホブゴブリンもいるし。即撤退するぞ!」


皆も流石にまずいと思ったのか俺の指示に迅速に従ってくれた。とりあえず通路の方まで行けば多方面に囲われることはなくなる。そうなれば後は一直線だ。1日で鍛えあげたこの脚力を魅せてやるぜ!


兎に角走る、走る通路までもう少しだ。頑張れ俺!

無我夢中で走ってあと少し!


「は?ここEランクだよな?なんでお前がそこから出てきたんだ?」


通路から出てきたモンスターは1体。ホブゴブリンよりも更に一回り大きく前進を甲冑に身に纏いその手には大剣を持っていた。

そいつの名は

Cランクのゴブリンジェネラルだった。












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