第15話
「あのなぁ,何でベッドの1つや2つが用意できねぇんだよっ.
だから,里の力も総動員して良いって,あれほどっ…」
「ベッドのご用意は出来ております.」
遮るようにタカが言う.
ベッドのご用意は出来ておる…ならいいじゃん.
ふむ.
何だ,コウの裏切りか.
「続けよ.」
「…それが…母が言うには…」
クチバがコウについて言及するとかないな…
人払いなんて,大げさな…
「クチバが?何て?」
「あの小さき者は男だと…」
「男?間違いないのか?」
「入浴介助の際に.」
あのチビは男か.
なぜだ.
あの魔力を持たない感じは女だ.
見た目も女ななりをしておる,
なぜだ.
口調も振る舞いも女のように躾けられておる.
あれでは戦えない.
生まれ出たより魔力が無い為捨てられたか.
ただ,言葉を教わるなど生きていく用意はしているようだ.
なぜひっそり隠されるように.
手引きしている者は誰だ.
龍族であれば,同じ腹から生まれた兄弟より真っ先に殺られるぞ.
「何か考えられることがあるか?」
「いえ,思い当たりませぬ.」
「だろうな.」
ムッとするな.俺とて同じ.
「鷹族は,族長決めどうやって決めるんだ?」
「試合形式で戦っていき,一番強かった者が.」
「そうか.蝙蝠族については?」
「詳しくは知りませぬ.
簡単な試合はあるようですが,最終的には女性が投票をするとか.
強さと見目が麗しい者が選ばれる傾向との事.」
「そうか,本人に聞かなくて良かった…
確かにコウは魅力的だ.」
「そのようなご趣味が…」
「いや,ねぇよ…」
書物の中に種族ごとの族長選出方法を記載したものがあるはずだ.
黒髪,黒目,色白と特徴から種族も絞られる.
「報告ご苦労.クチバも労うように.
もう,行け.」
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