第13話
寝不足だ…
「悪いが,昨日は眠りが浅かった.
朝は飲み物だけで良い.
手は付けないので,下げてくれ.」
と言うと,クチバが下げて,薬草湯を持ってきた.
はぁ,身体に染みわたる.
あ…昨日,クチバはどこで寝たんだ?
全く考えて無かった.
「昨日,クチバには世話になったが,どこで休んだ?」
「私のベッドで休ませました.」
とタカが言うが,
「タカは,どこで寝たんだ?」
と聞くと,
「ソファで休みました.」
との事.
「あぁ,そうだ.
タカ,報告が遅すぎる.
今日は必ず何とかしろ,ベッドの不備を.
あぁ,この城は客間があっただろ.
あの部屋のベッドは?」
「朽ちておりました.」
タカが答える.
そうだろうなぁ.
客人とか,もう何千年と来ていないから.
「チビのに加えて,クチバの寝床も用意しとけ.
あまり出入りは好ましくないが…
必要ならば鷹族や蝙蝠族の里の手を借りろ.
必ず今日中に手配しろ.必ずだ.」
「かしこまりました.」
とタカが言った.
「コウ,視察の報告受けておらぬ.
問題なかったのだろうが,問題が無かったという報告をしろ.」
「報告が遅れて失礼しました.
残り全ての種族が魔王様に忠誠をと.」
コウが言うので,
「分かった.ご苦労.」
と声をかけた.
「コウは,チビのあれを何とかしろ.
昨日から手づかみだ.スプーンやフォークを使うように.
ゆっくりで良い.すぐには出来んだろ.
俺に言うみたいにくどくど言うなよ.
使い魔に食べさせるのは,ちょっと様子を見ようか.」
「意のままに.」
とコウは言ったが,きっとチビもお小言言われながらやるんだろうな.
「少し休む.余程の事がない限り起こすな.
後はよろしく頼む.」
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