第10話

迷いの森も一定量の魔力があれば抜けられる.

女・子どもは魔力が足りず捕らわれる.


寝室の窓から戻ると,小さき子は起きておった.

俺の使い魔は遊ばれていた…


はぁ.

「なぁ,お前使い魔なんだから,主の想いを汲み取れよ.

起きたら知らせるんだろうがよ…」

無理か.

もう皆言う事聞かねぇ.


「可愛いから遊んで貰ってた.」

小さき子が楽しそうに言う.

あ~あぁ,そりゃ楽しかろうよ…


「腹減ったから飯にしよう.

タカ!コウ!」

あぁそうか,あいつら寝室には来ないな.

俺だけの寝室に,このちびっこがいるんだ…

遠い目…


「おい,チビ.そこでじっとしてろよ.

調度品倒したら,同じようにしてやる.」


イラっ.


「もう起きたんだろ?移動すっぞ.」


「この使い魔さんは~?」

ツンツンしながらチビが言う.


「あ~やるよ.持っとけ.来い!」

首をゆっくり回して,肩にのせて,転送.

玉座につくと,コウもタカもタカの母さんもいた.


「はぁ…

何だか疲れた.夕餉にしたい.」


「出来ております.」

タカが言う.


「今日は,もう皆一緒で良い.

好きな席に座れ.」


「鷹族の郷土料理だから口に合うかどうか.」

とタカが心配するので,

「良い.食べられたら何でも良い.」

と返事をしておいた.

いつもは,コウが調理担当してくれるが,遅かったからな.

物凄いものを想像してみたが,気負い損で,

旨かった.

郷土料理のために,各地のコックを呼び寄せても良いかもと思った.


「あ~タカの母さん,ご苦労.

名前は?」


「クチバと申します.」

タカが口を開いた.


あ~直接話さないマナーか…


「良い.少人数で回しているゆえ,直接話しても大丈夫だ.」

そう,震えなくとも…



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