第6話

あぁ…

何もすることがないすることがない.

このような時間,歴代の王はどのように過ごしたのか.


女か.

酒か.


筋トレだな.

黙々と身体を鍛える.

時々,火の玉と氷の玉を集中しながら出し,お手玉.


指逆立ちを続けていると,

近づく者がいる.

タカだ.


珍しい,門から入るか.


タカは多少砕けた物言いでも,何も言わないから楽だ.

コウといると,魔王らしく振舞いくださいませって口うるさい.


「戻りました.」


「ご苦労.それは?」

タカは,もぞもぞ動くズタ袋を持ち歩いておる.


「主の言う者であれば良いですが…」

と言い,開けて逆さにし乱暴に中身を落とす.


ボタっと中の物が落ち,よく見るとあやつだ.

目が合うやいなや,

「ネコちゃん.」

と言うので,

タカも,

「ネコちゃん?」

と聞く.


あぁ,頭が痛い.


「良い.この者どこにいた?」


「迷いの森に.」


深く何度も頷くと,タカは嬉しそうだった.


「他の報告は?」


「はっ.

巨人族が反乱分子と判断し,力がある者は潰しておきました.

一つ目族は内々で揉めていましたので,様子見です.」


「大変良い.

巨人族と一つ目族はタカが担当したので,後の種族はコウに任せよう.

後の種族は見回りだけで大丈夫そうだね.

ねぇ,タカは鷹族の里まで行って戻って如何ほどで戻られる?

あの子の面倒見られそうな者を連れて来てくれないか?

あの子の出生分かるか?」

部屋の中を観察して回る,あれは何やつだ.


「いえ.世話の者でしたら,1時間ほどで.」

タカが言った.


「頼んだ.行きに,あれを地下牢に入れて行け.」

と言うと,

「ははっ!

…えっ!?」

とタカが言った.


はぁ.

ここで,俺と一緒に過ごせんでしょうよ…



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