第3話 いつか出会う運命のために

「家の前で待ち合わせなんて…斬新」

美羽は恥ずかしそうにしている


「クスっ

本当美羽は面白いな」

角谷は美羽の顔見て軽く手を振る


週末のデート当日

待ち合わせの美羽の家の前

嬉しそうに微笑む顔を見ながら

角谷はさりげなく美羽の手を繋ぐ


「家の前なのに…」

美羽の顔が赤く染る


「今日は一緒に楽しもうな」

繋いでいた手を角谷は引き寄せ、美羽に角谷の体を密着させる



映画館に到着して、劇場内に入っても手は握られたまま


暗くなった館内

美羽の心臓が持たないほど、鼓動も激しく響く



「…(どうしよう、恥ずか死にそう)」

美羽の緊張で手のひらが汗で滲む



角谷は涼しい顔で映画を見ている


手は握られたまま

何度も角谷を確認した

挙動不審な美羽の態度を眺めながら

角谷は面白そうに様子を伺う


美羽に体に身を寄せ耳元で囁く

「デートだからこれが固定」

繋いでいる美羽の手に角谷キスをする


美羽は薄闇の中の距離感のない角谷の態度にドキドキしっぱなしで

あまり目を合わせられなかった


映画の中だけならこんな気持ちは永遠に続くのかな…

もう一度、美羽は角谷を見つめる



+++++++++++++++++++++




映画を後にして、

ログハウス風のオープンテラス

角谷の勧めで入店する



「ここのオムライスはお勧め」

「角谷さんはグルメで色々…ご存知なんですね」

「俺って女慣れてるように見えるのか…色々女の子を誘ってここに来るみたいな?」

角谷はいじわるな顔になる

その表情に美羽はドキッとする



「…うぅ…そのあたりどうなんですか?

角谷さん、女子から人気があるから…あは


(強く言えないのですが、メチャクチャ小一時間くらい問い詰めたい程気になります

( ¯ ¨̯ ¯̥̥ ))」


「俺からは誘ったことはほとんどない

つまらない女に囲まれているより

美羽と過ごしている方が

面白そうだからな」

角谷の無垢れた態度

嘘でも無さそうな感じ



「美羽は好きでもない男から言い寄られたらいいは気分にはならないだろ?

だから

美羽に誤解されているのも

結構傷つくけどな」


「えっ…えぇ… 

気分害したらごめんなさい

今日は

ずっと…

素敵なエスコートで

それが逆に

色々妄想してしまい(mm)

それって

ただの欲張りですね…」

美羽の顔が真っ赤になる

さりげなく角谷の尋問に答えると、もれなく好きだっていう意思を匂わせてしまう(恋のトラップ的な)



「ばーか

お前を手放す気ないしな」


角谷は美羽の鼻面を優しくデコピンした


「じゃ、食べ終わったら家まで送るよ」


和やかに料理を楽しんだ



+++++++++++++++++++++


食事を済ませ

美羽を家まで見送る



美羽の家の前まで着くと、

角谷は美羽を優しく抱きしめる



「今日は美羽と一緒に居られて楽しかった、

美羽は?」

「一緒に居て楽しかったです

(そしてずっと顔が暑い!囧rz)」



もっと一緒に居たい…と言えないけど

居たいと感じてしまった

ずっと手を握って一緒にいたせいか朝よりもまっすぐ角谷を見ることができる



「昨日、君が泣いていた時の顔が、

綺麗で俺は忘れられない

美羽を知りたい、

もっとステディな関係になって欲しい

美羽…

俺と付き合ってほしい」


腰を抱いたまま、角谷は美羽を熱く見つめる


美羽の顔が強張る

元カレも女絡みで苦しんだのに…角谷さんみたいな女性からモテる男性だと余計苦しむのではないのかと恐れていた


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