第11話 ラブレター



願い事が叶った次の日、僕は家の前に人形と手紙が置いてあることに気がついた。

木で出来たあやつり人形が、手紙を抱いて座っている。

差出人を見ると、クラスメイトだった。

僕は学校に行く前に手紙を開けて読んだ。






こんにちは。

今日はどうしても伝えたいことがあって、手紙を書くことにしました。

少し長くなってしまうかもしれないけど、最後まで読んでくれたら嬉しいです。


学校で初めて出会った時から、私はあなたに恋をしてしまいました。

一目惚れだったと思います。


どこを見て一目惚れしたのかと聞かれても答えられませんが、一目見た瞬間から体に電気が走りました。

自分でもびっくりしました。


その日からずっとあなたを見ていました。

あなたが勉強している時、友達と遊んでいる時、体育の時間、登下校している時、あなたを見つけるたびに見つめていました。


あなたと仲良くなりたい。

一緒になりたいと強く願っていました。

夜にお星様にお願いもしていました。


信じられないかもしれませんが、私が熱心に願っている姿はお星様に届いていました。

昨日の夜に、お星様から女神様が来たのです。


私は女神様にあなたに恋をしたことを話しました。

あなたと一緒になりたいことも話しました。

女神様は私の願う姿をずっと見ていて、願いを叶えてくれそうです!

やっと願いが叶って本当に嬉しいです!


願いが叶ったら、あなたに思いを伝えてることが出来なくなります。

なので、女神様に少し時間を貰って手紙を書くことにしました。


あなたのことが大好きです。

あなたと同じ人形になれることになりました。

ずっと一緒にいてください。






僕は人形をギュッと抱きしめた。

手紙をポケットに入れ、少女の家へと走る。

この人形を本当に愛してくれる人の元へ届けるために。



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