第四話

「大したことないんだけどさ、」


「うん」


「明日富谷君がどっか行かないか、って誘ってくれてさ、」


「はっっっっっっっ?!?…あ、ごめん、続けて?」


 なんだ?


「それで、富谷君は、白柏君を誘えないから私誘った、って言ってたんだけど、よくよく考えたらおかしくないかなぁ、って。富谷君こんなに誘う人いるのに」


「はぁあああああぁぁ。あんたねぇ………?もうちょっと汲み取ってあげなさいよ……」


「え?どゆこと?」


「まあ、確実なのは、汐音と仲良くなりたい、ってことなんじゃないの?」


 ふん?ん?…………ん???


「そう……?なの……?」


「そうでしょ!」


 そう……か?


「仲良くなりたくなきゃ誘わないっての!」


「そ……………っかぁ………。そう、なんだぁ」


「で?どこに遊びに行くの?私候補挙げてあげよっか?」


「や、あの、実はねぇ、こ、こと、」


「こと?」


「わり、まし、た」


「はあああああああああ????」


 何も言えない。


「なんで?!せっかくだから楽しんでくればいいじゃん!」


「それはそう、なんだけ、ど」


 駄目なんだ。


「…………まあ、なんとなく察しはついたけどさ、汐音、それは違うんじゃない?なんか勘違いしてるでしょ?」


「勘違いって、なにが」


「汐音今日このあと空いてるでしょ。付き合って。」


「わかっ……た」


 なんなんだろう。

 紅葉のことだから、私のために何かあるのだろう。


 それから特に話すこともなく、富谷君達のゲームをずっと見ていた。





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