異能力者の蔓延る街〝浪狗町〟を舞台に、〝機械〟の異能を持った男が活躍する物語。
まさしくこれぞ異能バトル! といった趣の現代ファンタジーです。
特筆すべきはやはり構成の王道感、「異能バトルを読みたい人」が欲しいと思うであろうものを、ぴったり全部用意してくれるホスピタリティの高さ。
ヒロインとの出会いにそれを助ける展開、そのためのド派手な戦闘に、嫌な悪役とその末路と、バトルもののエンタメ作品としての需要に忠実な姿勢が光る作品でした。
その上で、特徴的なのはその世界観、壮大かつ膨大な設定の数々です。
説明文にある「連載作品のプロトタイプ」という言葉の通り、その設定の練り方詰め方に感じるこだわりのようなもの。やはり異能バトルは「異能」あってこそとばかりに、そこをしっかり組み上げて叩きつけてくれるお話は、やはり相応の魅力があるように思います。
四種(+α)に分類される異能の設定に、謎めいた組織の数々など、設定面からワクワクさせてくれる作品でした。