文芸部って静かなもんじゃないんですかね?!
@ranranruuuuuuuu
1章:文芸部に入部ってここホントに文芸部すか?!
第1話:文芸部
高校生活にもなれ、最も楽しい時期だと言える高校2年。
彼、
そんな折、現代文の担当教師の
「ねぇ、鴉鷙鳩鷺くん。あなたはどうしてこうも毎回筆者や登場人物の気持ちをどす黒くしてくるんですか?」
「いや、実際に筆者がどう思って創ってるかなんて判らないですし、登場人物の考えた先が俺ならそうなったってだけっすよ。」
咲は人差し指と中指、薬指を額に当てながら溜め息を
「これはその登場人物になった気持ちで書くんです。多少の差異が在れどここまで頓珍漢で予想だにしないものを持ってきたのはあなたが初めてですよ。とりあえず、このプリントは今週末までに再提出。それと、あなたにはとある部に入部してもらいます。」
今日は木曜日だから実質期日1日......と思った翡翠だったが、当然口に出せる雰囲気でもなく、彼は静かに頷くしか無いのであった。
咲との話し合いと言う名の説教が終わり、翡翠は帰れるっと内心喜んでいたところに咲が追い討ちを掛けるように一言放った。
「この後、少し時間もらいますからね。」
それはとても綺麗な笑顔の下、その後ろには否定も反論も抗議も意見も何もかもをさせないと言うような覇気が感じ取れた。
こうして翡翠は、咲に連れられ、部室棟の三階最奥の部屋へと連れられた。
霽雷高校の校舎は、5つの棟から出来てて、教室棟、特別教室棟、部室棟、特別棟、運動棟となっており、教室棟はホームルームを行う教室がある棟。特別教室棟は化学室や生物室、音楽室などの移動教室用の棟。部室棟はそのまま部活動の部屋があり、特別棟は筋トレの器具や図書館がある棟。運動棟は体育館や剣道場、柔道場などがある棟になっている。
職員室のある、特別教室棟は教室と渡り廊下で繋がってるが、部室棟とは繋がっていないので、繋がってる教室棟を経由するのだが、教室棟を端から端まで行かないと部室棟に行けない。
教師たちは、その距離が面倒という理由で、部室棟に来たがらない。
咲はその長い教室棟を恥まで行き、部室棟に繋がる渡り廊下を渡り、文芸部の部室のある3階最奥の部屋へと歩いた。
「ここが文芸部の部室です。今日は1人来ていはずですのでその娘と挨拶をして仲良くなってください。」
「仲良くって......俺に出来ると思ってるんすか?」
「出来る出来ないじゃなくてするんです。いいですね」
咲は咲ほども出した様な覇気で有無を言わせぬと言う風に笑顔で翡翠に言った。
翡翠は、なにも言えず、ただ頷いた。
そんな翡翠をよしと褒め、咲は3回扉をノックした。
コンコンコン......
「
そう言って、返事も待たずに咲は部屋に入った。
そこには、黒い長い髪を前髪を後ろ下やや左で束ね、結んだ髪を肩から下ろたサイドポニーテールにし、黒く大きい目を丸眼鏡で覆い、ワイシャツの上に藍色のカーディガンを羽織り、水色のブックカバーをかけた文庫本サイズの本を机が2つ向かいで並び、椅子が6個有るなかで、左の1番奥の席に座って読んでいた。
彼女───栂村は扉の開く音に反応して、文庫本を開いたまま、こちらを振り向いていた。
咲が栂村がこちらに気付いたのを確認すると、彼女を翡翠に紹介し始めた。
「彼女が一応この部の部長で2年文系フランス語コースの栂村
それを聞いて、結依は、無表情気に言葉を放った。
「部長の栂村結依。よろしく。活動日は月水金で、その他は基本ただ本を読むだけの自主参加の日。入部するならちゃんと来てほしい。」
結依は、そう言うと、満足したのかまた本に目を落とした。
翡翠は、咲に視線を向けて
「先生、俺早く帰りたいから部活には入らないって言ってたと思ってたんですけど......ここまでちゃんと活動している文芸部聞いたことないっすよ?」
「あぁ......そんなことも言ってましたね。でも、あなたの性格はなんとしても矯正しないといけないのでね、すいませんが、諦めて下さい。」
とてもいい笑顔で案外最低なことを放った咲に、翡翠はげんなりしながらも、わかりましたと1言呟いた。
こうして、翡翠の早期帰宅と同時に、放課後の自由の喪失とプリントの再提出が半ば強制的に決定したのだった。
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