107配信 コタツでポカポカ〜

 


 軽めのスランプに陥ったので遅くなりました。(治ったとは言ってない)


・・・・・・・・・・


 ――12月末。

 VTuber業界初の年越しがあと少しとなっている。境界事務所では配信は休み公式チャンネルにて動画を投稿することになった。動画作成は12月の始まりにとったのだがその際何も起きないはずが無くいろいろとあった。

 結果まぁ今の状態になったのだが輝夜おねーちゃんも楽しそうなのでよしとしよう。


 私は現在ヌクヌクの魔物にとらわれてしまった、この魔物は私をヌクヌクにし思考能力を低下させ魔物の傘下(物理)からでることを自身の意思が拒んでしまう洗脳までしてしまうもう私はここから出ることができないのだ。そう例え輝夜おねーちゃんが私を呼ぼうとも


「れいー、れいー、どこにおるんじゃー?いい子じゃから我のお手伝いをしておくれー」


 輝夜おねーちゃんの声がするが反応すらできない、反応してしまったらきっとこの魔物から私を救出せんと輝夜おねーちゃんが鋼の意思で手を魔物の中に入れ私を引っ張り出そうとしてしまう、出たくないので反応はしない


「零さんと一緒にコタツムリになれるなんて私一生分の運を使ってしまったのかもしれません」


 魔物の傘下(物理)は狭く身動きがあまりできないそのためかアリスが私にくっついてるのは仕方ないことだと思う、アリスも嫌がっていないのでこのままで良いだろう


「か、輝夜さん。その、コタツに、います」


 な、紅鬼にばらされてしまった。

 先ほどまで心までもとろけさせてしまう優しさに包まれていたのに今はまるで灼熱の戦場でいつ的が来るのかと感覚を研ぎ澄ます先兵を彷彿とさせるだろう。

 

 足音が近づいてくる

 しかし私はこの場から離れられない、魔物が私を離してくれないのだ。


 思考をめぐらせている間に足音はどんどん近づいてくる


「れい、そこにおるんじゃろ?出ておいでとはいわん。きっとれいの意思が離れたくないと思ってしもうたのじゃろう?ならば我はお主を救い出すべくお供とともにお主を救い出してやろう。紅鬼そっちを持つのじゃ!」


 紅鬼の手と輝夜おねーちゃんの手が魔物の布団部分と机部分を同時にもち魔物を持ち上げてしまう。

 

「ぐ、さむい」


「ぅぅ、零さん寒いです」


 魔物を退治してしまった輝夜おねーちゃんはニッコリと笑顔を私に向けている


「これでいい子のれいが戻ってこれたの。生還じゃ!」


 輝夜おねーちゃんには叶わないようだ。

 

「零さん、の笑顔ふえたね」


 紅鬼のこぼした言葉に輝夜おねーちゃんが反応する


「最近はよく表情を変えておるよ、笑ったり眠そうにしたりの」


 輝夜おねーちゃんは暖かな目をむけてそういった


 ―――ガチャ―――


「うるさいの、輝夜は口にチャックをつけておくべきなの」


 ネムが名目上は私の寝室となっている部屋から出てきた。私は輝夜と寝ているので使っていない


「ネ、ネムちゃん、人のお家、だよ……」


 おずおずと話しかける紅鬼に「チッチッチッ」と指を振るネム


「紅鬼は遠慮しすぎなの、「ごっゆっくり」と言われたのならゆっくりするのが礼儀なの!」


 ネムの言葉に紅鬼は「そ、そうなんだー」と返事を返した

 私も勉強になった、うん


「これ!嘘を言う出ないわ。嘘を零が信じたらどうする、ん?」


 輝夜おねーちゃんがネムにげんこつを落とす

 ネムは頭をさすって


「ネムは嘘をついていないの、現にやって見せたの!(どやぁ)」


「こやつは……ハァ」


 諦めたのか輝夜おねーちゃんは台所に向かう

 私を後ろから抱きしめるようにしていたアリスは立ち上がり輝夜おねーちゃんを追う


「輝夜さん輝夜さん、何をなされているんですか?」


 紅鬼も後を追っていく

 おせち料理を作るっていっていたな

 漫画の絵で見たがああいうのを豪勢というんだな


 うぅ寒い


「零、寒いの?」


 ネムがコタツを元の位置に戻してくれた

 中に潜り込んできたので身体が触れあう


「あたたかいの」


「ポカポカっていうって読んだ」


「ん、ポカポカなの」


――――――――――


 ポカポカ~

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