106配信 転生者アン・バーデン

  106配信


 あぁ暇だ

 代わり映えのない日常に嫌気がさしてしまう

 王国も帝国も悪魔も天使も何もかもが私を魅了しきれない 

 私はこの世界に飽きてしまったのだ

 技術という人類を人類たらしめる要因の一つそれの頂に立つ私は誰もが欲する

 

 金 女 地位 名誉 運命 欲望 殺意 


 ありとあらゆる方法を使って私を求めてきた愚か者ども

 私はソレを拒み世界にあらたな技術を落とすだけ

 人々は悪魔は天使はそれに群がる、なんと哀れなコトか。


 私の手からこぼれただけの技術がそんなにも美しく見え私から目を離すのか。と


――――――――――

 

 私の名はアン・バーデン

 無の森に生まれた発明家だ。

 無の森に生まれたから外に出るまで人に出会うことはなかったし

 人が愚かであることを知らなかった

 初めて人を見たとき思ったよ「あぁ何世紀も遅れた人類に私の技術は毒なのだ」と

 魔法に頼り続けた人類に私の持ちうる技術はすぐに浸透しそして戦争を激化させた

 私は愚かしくも人を愛そうとした

 だけどソレは他の人には障害になってしまった「なぜ私とは親しくしてくれない、私にその技術をよこせ」と

 そしてその障害を排除しようとやっきんいなるモノが現れ私はその人を捨てることになった。 

 それからまた無の森に逃げ込んだ

 人々は無の森が怖いらしい

 帰ってくるモノがいない森それが無の森だとあの人は言っていた、そんなことはないのだが私はソレを頼りに生まれた場所に逃げた

 無の森に逃げ帰って何年かが過ぎ異変が起きた

 人の形をした私の理解できる言葉を話すなにかが現れたのだ

 私はすぐに理解できたよ。

 あれが人々の言う悪魔や天使のたぐいだと

 ソレは私にこう言ってきた「お前の存在はこの時代には毒でしかない。これ以上世の中に損得の生じる現象がお前の手によって生じた場合お前を排除する」

 私はソレを聞いてはじめに思ったコトは「私の考えは正しかった」であった

 人類は私に依存し私を崇拝し出す、それがその存在にとって「毒」ということだろう

 私はそれでも発明を続けた

 なにせ私は発明家だからだ。

 世に出ることのない技術を作ることになる、だが私は発明家だ。ならば発明しよう私が私であるために

 私がソレを完成させるとあの存在はやってきた。


「遺言は――――――――」


 私の手はその存在にあらがうことにした

 発明したばかりの我が子によってその存在は消滅する

 あぁなんと素晴らしき発明か

 私はきっと天才なのだろ、なにせ天すら恐れる才能なのだから

 私が我が子を思っていれば腹部から寒さを感じた

 きっと腹部を背後から貫かれたのだろう騎兵が持つランスで

 声がもう出せないコトは分かる、ならば死なば諸共

 近距離で私の出しうる最大の火力私の発明を私のみで食らおうとも私はソレで死ねるのなら本望ではないか


「………ハァ、ング。ハアー」


 息するのもやっとだ。私の脱力する腕で最後の有終の美を飾ろう

 ピンを抜くそれだけでいい。

 投げなくて良い。背後にいるソレにも私とともに来てもらいたいな

 動け、動け、動け!うごけぇぇぇぇ!

 

 私は意識を失ったよ。

 そして目を覚ませばこの世界

 なにかに身体全体を抱えられているのが分かる

 音はぼんやりとしていて目は開かない声は出せるが喋れない

 理解が追いつかなかったな

 

――――――――――


「私の旧名はアン・バーデン、発明家だよろしく人類」


・発明家のロリっ娘だ!

・発明家かぁ

・てかOPアニメ!

・OPアニメ死んでるヤン

・てか最後の手榴弾じゃね?


「私の話をするから少し時間をとらせてもらうぞ。私は前の世界では男だった、だがこの世界に生まれ落ち女となった。前の世界の人類は嫌いだった、なぜなら文明レベルが低いからだ魔法に頼り科学を発展させず私に科学、発明を願った。人類が一丸となって発明すべきモノを横から盗もうとしたからだっ!……私は今世が楽しい私と同じ思考回路の人間が周りと協力して作り上げた科学があり人類が一丸となっているからだ。素晴らしき世界だと私は思う、励んでほしい。以上だ」


・死んだんですか?

・前の世界でも愛した人はいたんだよね?

・前の世界の誕生を知りたい

・転生系?

・ロリっ娘ってのは分かった


「コメントを拾おう、マネージャーもそうしろと言っていたからな。確かに私は前の世界で死んでこの世界に転生した、最近の漫画でよくあるヤツだな」


・人間みたいなあれってなんだったの?

・親はいなかったの?

・アダムとイヴ的な?

・元々転生者とか?

・転生何回目ですか?


「おぉ!それだ!私は1人で完結したアダムのようなモノだった。誰に作られたのか分からないが私は無の森にいたんだ。こちらに転生してその話を聞いたときソレだと思ったな。先ほどまで忘れていたよ」


・大事なコト忘れちゃってるよ

・もしかして頭おじいちゃん?

・てかさOPアニメずっと一人称だったけどおじいちゃんだと画面が汚いから?

・かわいければ何でもよし

・死に恐怖はなかったのかな?


「死に恐怖がなかったか?無いさ、そもそもあの時は何もしなくても死んでしまっていた。なら私の手で最後の発明の成果を試したいモノだろう?」


・芸術家かよ!

・発明家怖い

・狂気に陥ってますね

・狂気の発明家か

・やばやば


「確かに芸術家のようだったな。まぁソレは置いておいてこの世界は実に素晴らしいな!私は感激したよ!私が研究していた発明の続きがこの世界ではすでに遅れた技術になっている!この時代この世界は私の生まれる世界だったのだ!」


・頭のねじが外れた発明家は孤立するって言うから孤独だったのかな?

・良かったな…

・幸せになってくれ

・今は幸せか?

・元気そうな声で安心するよ


「特に漫画やゲームという文化は素晴らしい。実にすばらしい!」


・あっ

・あーあ

・沼ったのか

・どのジャンルにはまっちまったんだ

・コレで過疎ゲームに行ってたら復興させようじゃねーか


「今はまってるのは少しの段差で死んでしまう主人公のゲームだな!あれを死なずにクリアするのを目標にしている!」


・スペ●ンカーか

・昔流行ってたんだけどな

・今は……はやりでは無いよな

・ゲーム配信もあんまり無いよな

・実況してくれるかな?


「実況か?事務所に確認を入れてもらわんと分からんな。だがやってみたいな」


・そりゃそうだな

・分別のある発明家で良かった

・普段は普通なんだね

・今の普通は大丈夫なの?

・やらせてくれると良いね


「そうだな、やらせてくれば良いのだが。次の話題でも探そうか」


・今何歳ですか?

・今世は何歳?

・学校ちゃんと通ってる?

・親とは仲良い?

・家族はいるの?


「私の年齢か?16だ。学校には通っているよ、学ぶことが多くてとても充実しているさ。親とも良好的な関係を築きあげたよ」


・16歳か!

・身長は!!!!

・おまわりさーん!

・hshs

・ぎり合法では!


「私に好意を持つのはかまわないが私の恋愛対象は女性だぞ」


・!!!

・お相手はおられるのですか!

・立候補しても良いのかしら!

・好みのタイプは!

・キマシタワー建設できるのか?


「タイプ……か、特に今はないな。強いて言えば世話をしてくれる娘がいいな」


・っておい!

・だらける気だ

・これはダメなタイプだ

・ダメ彼女だ

・しかもサイコときた


「私はただ働かなくても良い世界で好きなことをしていたいだけなんだ!」


・貢がせようとしてるのか?スパチャしたいな

・スパチャで殴りたいな

・スパチャなぐりすう決定

・赤スパ殴りはしないとな!

・虹スパをしなきゃ!


「はっはっは、待っていようじゃないか」


・殴りたいこの笑顔

・殴らせてくれこの笑顔

・殴って良いよね赤スパで

・てか今は発明とかしてるのかな?

・発明ってどんなの作ってるの?


「発明についてか?前の世界ではありとあらゆるモノだな。今は生活補助の発明をしている私が楽に生活できるようにするためにな」


・動機が……

・一言多いなぁ

・黙っておけば美人ってヤツだ

・残念美人

・草はえる


『アン~ご飯できたわよ~』


「どうしよう、お母さんに呼ばれちゃった。でも初配信だし……」


・お母さんの声聞き取りやす

・声はいちゃったね

・仲よさそうだな

・ご飯か

・行ってらっしゃい


「いや、しかし……はっ!そうだ!ちょっと待っていたまえ」


・どーした?

・なにか思いついた?

・初配信だぞ

・俺も飯食いたくなってきた

・腹減った

・てかどこ行ったんだ

・ご飯食べ終わるまで待ってる系かな

・待つのは別に良いのだが

・あれ物音?

・もしかして…


「お待たせしたな!お盆にご飯んのせてきた!」


・お、おぉ

・よっぽど配信楽しかったんっだな

・こんな初配信他にあったか?

・発明家は考えることが違うなぁ

・やっぱ思考回路がちがうんやな


「今日はお母さんの手作りハンバーグなんだぁ!おいしそぉ。ソレじゃあいっただきまーす」



 

――――――――――


 転生者アン・バーデンでした!これで全員かな

 「別世界」で好きなキャラがいたら教えてください!


 

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