104配信 4年前の出来事
先生との出会いは4年ほど前ですね
あの日は雨が降っていて寒かったです
でも、先生が私に手をさしのべてくれて暖かさを感じました
――――――――――
私は絶賛人質中です
人質の価値もない小娘なのですが、なぜ誘拐されてしまったのでしょうか?
というか臭いです、この部屋臭いです!
待遇改善を要求します!
まぁ喋れないのですがね。思考は冴えているのに麻酔とかでしょうか?
医療とかの知識は無いので分からないです。
……はぁ、思考だけが冴えててもできることがないのは嫌なモノです。
私はただのオタクですよ。なんも取り柄のない高校生です
他と違う事なんて2つくらいしかありませんよ。
1つ目は私が日本人の両親から生まれたことです、アメリカ育ちですけどね
2つ目は猫に好かれやすいことです、物陰から私に飛びかかってきて頭の上でくつろがれるんです。特定の子ではなく今までであったどの猫もそんな感じなんですよ。猫の集会所に足を踏み入れてしまったときは……思い出しただけで寒気が。
まぁそのくらいなんです私の家はそこまで裕福でもないし人質の価値なんて無いんで帰して貰えないですかね?1人で帰るんでダメですかね?
目は開かないし、耳もぼーっとしてて外の情景がわかんないんですよ。
………はっ!分かりましたよ。私がかわいいから誘拐されたんです!そうに違いないですね。それ以外考えられませんね。
ん?なんでしょうこのもさもさした温かい物体は
いえ分かるのですよ、ただこの存在に助けられるのはなんだかしゃくなんですよ
そうです少し苦手なんです!うそです結構苦手です私自分から触れたことないんです!
ウー、身体が動かせないのでモゾモゾが私のお腹にどっかり座っちゃいました
うぅこの服気に入ってるんです、せめて足は綺麗でありますように
それにしても猫はのんきなモノですね、ここはきっと誘拐組織のアジトの1つですよ。
まぁ猫には優しい組織なのかもしれません、はぁ。
んっ。なんだろう誰かが私の左腕を掴んでいます?
注射ですかね?っ!薬ですか!どうしましょう!どうすれば良いんですか!逃げれないし身体が動かないですし……。あれ?少し動くように、視界が回復して耳もすっきりしてきました
「やぁ、おはよぉ。早速でぇ悪いのだけれぇどぉ君はぁ私とくるかぁ、1人でぇ逃げるかぁどっちがぁ良いですぅ?」
誰ですかこの人、この人と逃げる?どこからです、ここは奥まった場所だってぼんやりした耳がきいたはず。ならこの人がここにいるって言うことは逃げる相手がいないって事になるのでは?
うー分かりません。こういうときは私の苦手な猫さん貴方が決めてください。
「ダメですょ、君がぁ決めるんですぅ」
思考が読まれたのですが!
なんですかこの女性、目のハイライトもないですし怖いです
「君はぁ思考が読みやすいですねぇ、顔にぃ出るタイプですよぉ君。それとぉ私はぁ怪しいモノですけどぉ悪者ではぁ無いですぅ」
怪しい
なにか急がなければならない場面なのでしょうけど、この女性はマイペースに行動してます。
少しくらいなら聞いても良いでしょうか?
「少しだけなら聞いても良いですよぉ」
また思考が読まれてしまいました!
っと今はソレどこではないのです
「誰から逃げるのですか?正面から来たのですよね、なら組織の方は貴女が倒したのでは?」
「えぇ、倒しましたよぉ。今はお腹抱えて1日立ったら起き上がってくるのではぁ無いでしょうかぁ。まぁ1日たったら死ぬんですけどぉねぇ」
え?今死ぬとか言いました!?
どういう……
「あぁ、君がでぇは無いですよぉ。この街のぉ麻薬摂取者が、ですぅ」
この街って今どこ!
もし私が住んでる街で、この女性の話が本当なら……
そもそもこの女性が本当のことを言っている確証なんて……
「嘘ではぁ無いですよぉ。ちなみにぃここはぁカルフォルニア州ストックトンですよぉ」
…………。
「そのようすだとぉ近しい人がぁ麻薬やってたんですねぇ。かわいそうにぃ」
……どうしてこの人は死んじゃうって言ったのですか
なにか知ってることがあるのですか…
母さん、父さん……
「なんで、死んじゃうって……」
「簡単なぁ話ですぅ、私が作ったぁ特効薬の影響ですよぉ。この街にはぁ悪い人がぁ多かったのでぇ拡散型をぉ作ったんですよぉ。運が良ければぁ生きてるかもですねぇ」
どうしたらいいのですかね
すこし冷静に、なった方が。いいと思う、です
「その痣とこの痣、力加減が違いますねぇ。もう一度ぉ聞きますぅ。私と来ますかぁ?」
この人は私が虐待されていることを見ただけで……
……優しさ、なのでしょうか。
不器用です、この人は私に何もう伝えず連れ去ることも置いていくこともできたはずです。ソレなのに、説明もしてくれて……
「ついて行きます」
不器用な優しさに甘えさせてもらいます
猫さん、そろそろどいてください。
「ソレではぁいきましょうかぁ。研究のぉ材料だらけなのですがぁまぁ今回はぁ助手ができたのでぇ出費とぉ換算すればぁ、ぷらまい0ですねぇ」
――――――――――
その後たしか街をでて車に乗ったのですがなぜか私を運転席に乗せて
「がんばってぇ覚えてぇくださいぃ」って。私当時16歳で善良な一般市民だったんですよ!運転なんてしたこともなかったし事故っちゃうんじゃないかって気が気でなかったです。スパルタって言うんですかね。
それで後で聞いた話によると先生が作って街全体に拡散した特効薬は先生の計算通り街にいた麻薬中毒者を全員殺してしまった。
先生はソレをしって「そうですかぁ」とだけ、興味が無い感じでしたね
それから先生の世話をしたり先生の側をくっついて歩いてました。
先生は少し常識が欠けてます、誰がこの現代で仕込み杖を持ってると思うのですか!
しかもなにも知らされずに売人を刺しますしそのまま担いで近くの廃墟に遺体を持って行ったと思ったら解剖しだして脳みそやら血液やらを見させられました。その日はまともに食事ができませんでした
先生はなれてるのかてきぱきと処理をおこなって脳みそを小片になるまで切って血液を瓶に入れしまっていました。後で知ったのですがソレが特効薬の原料なんだそうです、他にもいろいろ入れるそうですが主になるのはその二つだそうです
先生は私に解剖を見せた次の日に私に少しゴツいナイフを渡してきましたね、最初は何ごとかと思いました、聞いてみたら「護身用だよぉがんばってぇ覚えてぇね」だそうです。嫌な予感を覚える暇すらありませんでした
すぐに奇襲があって家がめちゃくちゃになって私のほうにも襲いかかってきてとにかく当たれと思って腕を回してました。少し取り乱していたので定かではないので先生が助けてくれていたのだと思います。だって私怪我しませんでしたし
先生は「これほどとはぁ嬉しい誤算ですねぇ……」って言っていました。
それからたくさん出かけるようになって出かけるたびに解剖を近くで見させられるのでなれましたね、脳内麻薬ですよ。はぁ害はないのでまぁよしとしましょう
趣味にも時間は使えて私の心の均衡は保たれたのです。よかった
ボーカロイドが無い世界なんて考えられません。先生は「君の好きなようにするぉと良いですよぉ」といってくれました。
勉強もしましたからね!医学や法律、薬学を中心に学習しました。
手順書があれば薬も作れます。先生は特効薬以外は作らせてくれます、結構ゆるいです
薬品も先生が突然「助手くん車出してぇ」といって車から降りてすぐに戻ってくるんでどこで仕入れてるのか分からないんですよね
まぁ必要なモノを必要な分以上保管しているのでなんとかなってます
――――――――――
先生から突然手紙が送られてきました
どうやら先生はこちらに戻ってこない気です。
うーん、全部で3枚の手紙。すべて違う住所からですか
国すら違いますね
まぁ先生の見つけ方は簡単ですよ。どうせやらかしてるので調べれば……
……候補地はエジプト(カイロ),オーストラリア(ケアンズ),日本(東京)ですかね、心肺停止が多発していて薬物系のニュースが多いところソレが先生の居場所です。
最初はどこに行きましょうか?
楽しみは最後にとっておきましょうか。
待っていてくださいAKIBA!間違えました先生!
――――――――――
助手くんを拾ったのはただの気まぐれだったんだよぉ
車の運転がめんどくさかったのでちょうど良いと思い連れて行ったのですぅ
そしたら結構がんばってくれてぇ運転、家事、戦闘、調薬いろいろできる子になりましたね
戦闘はすごかったですねぇ、助手くんは腕を振ってるだけと言っていましたがぁ、あれは人の最高点に達していたのではないでしょうかぁ。天賦の才というものですねぇ
私の出番はほとんどありませんでしたしぃ良い子良い子ですぅ
――――――――――
助手くんのお話でしたぁ
街一つ相手取っちゃう黒百合もヤバいけど助手くんも実はヤバかったり・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます