102配信 これはビタミン剤ですよ

  


 尾田蒔黒百合の話です。彼岸零の話は今までの話を直した後に書こうかなって思ってます。おつきあいください。


――――――――――


 本日は事務所に顔を出すようにいわれています

 昨日初配信をしたのですが配信後にスマートホンを確認したらマネージャーから連絡がたくさん来ておりまして何ごとかと確認をとったところ「明日12時に事務所に来てください!あっ昼のですよ!良いですね夜中ではありませんからね!」と言われてしまった

 日本の街もアメリカの街もあんまり変わりませんね

 あぁほんとに何にも変わらない、はぁ。

 

「コレ、キモチヨクナル。ベンキョウ、タノシクナル。」


 180くらいの外人さんですね見たところ売人は1人ですね

 絡まれているのは男子学生でしょうか、鴨にはならないはずですが教育がなっていないのでしょう。

 男子学生は路地裏なので助けも呼べないそんな感じですね

 時間が無いので対処療法になるのですが仕方ないですね

 

「お兄さん、そのお薬私に売ってくれないかな?」


 私は近づいて話しかけます

 売人はこちらを振り向いてくれます、笑顔ですねぇ

 振り向いて油断してるので私は右手で掴んでいる杖を手首のスナップで売人の鳩尾につきます


「おや、すまないねやっぱりそんな純度低いモノは買いたくないな」


 お腹を押さえて倒れ込んでいる売人に近づき頭を強打します、いい音がしましたねぇ

 気絶したので左手で持っている革の鞄を開きます


「君のも使っているんだろうその薬、君の図体の大きさと身体のバランスを見たらすぐに分かったよソレ『モルヒネ』ですよねぇ、ちょうど持ち合わせがあるのでぇ打って差し上げますよぉ」


 特効薬(1)ですがまぁ良いでしょう、(2)(3)を持ち合わせていなかったのはご愛敬です

 首に注射器を使って注入します

 特効薬(1)は効果が24時間後にでます、その対応の薬物を使用している者に打てば身体の拒否反応により確実に死亡します。使用していない者に打てばただのビタミン剤なんですがね。さらにアメリカにいた頃から研究はしていたので少し改良しています。死ぬまでの24時間は中毒症状をなくせるまで至りました。私ってやっぱり天才ですねぇ


「あ、あの。そ、それってなんですか?」


 男子学生が話しかけてきます。

 まずはその体制をどうにかした方が良いと思うのですが、ぎっくり腰ですかね

 

「コレですかぁ?コレは貴方にとってはビタミン剤ですよ。打ってみますか?」


 男子学生は首を横に振ります。

 臭いですね、あっ男子学生の服装が黒だから分かりませんでしたが失禁してますね


「そうですか、あっコレどうぞ。そこでそろえるものがあるのでは?」


 まぁ暗に換えの服を換えと言っているのですが……受け取りませんか

 私の優しさが伝わりませんか、残念ですね


「その尿みれの服装ではどこにもよれないでしょう」


 おっ気が付きましたか、少し赤面してますね

 まぁ仕方ないですよね、日本は平和な国として知られていますしね。暴力沙汰が無いのでしょう


「置いておきますね。では」


 私は事務所に向かいます

 いやぁ私ってすっごくいい人ですねぇ

 そういえば少し時間が狂ってしまいましたがあと何分でつけば良いのでしょうか

 ……まぁ考えなくても良いでしょう、なんせ私は今日良いことをしたのですから

 まだ特効薬はありますがそろそろ在庫確保したいですね。先ほどの売人持って帰りたかったですね。コレが帰りなら良かったのですが……嘆いても仕方が無いですね

 脳みそって外で解剖すると騒がれるので取り扱いが難しいですよね、血液だけなら簡単なんですが。はぁ

 おっ、そろそろ事務所ですね。デビュー前に何回かきたことがあるので覚えています

 自分の足で来たので道は覚えていましたがやはり疲れますね、助手君呼んだ方が楽ですね、まぁ呼ぶとうるさいんで呼ばないんですけど


「………あ、あの!まって、ぜぇ、ください。」


 おや、後ろから走ってきたのでしょうか

 先ほどの男子学生ですズボンは買い換えてますね


「どうかしたのですか?」


 男子学生はお札をつきだしてきます

 息がしにくいのかまだ、ぜぇはぁしてますね


「ソレは貴方にあげたお金ですよ。」


「いえ、コレ変えたんで」


 どうやらおつりでしょうか。

 律儀な方ですね、アメリカでは貸したモノは帰ってこなかったのですが

 私はあげるつもりで渡したので受け取る気はありません


「残りは貴方にあげます。ソレでは」


「え、い、いや。そういうわけには」

 

 私は気にせず歩きます

 それにしても強情ですねついてきて話しかけてきますよ

 少し脅した方が良いのでしょうか?

 杖を2回ほど強く地面をつきます


「私は仕事の集まりがあるのです、いらないのであれば捨ててください」


 男子学生は少しためらって自身の鞄にお金を入れました

 それでいいのです。

 やはり先ほどの杖術を見せたのが良かったのっですね

 おや?男子学生が離れませんね、どうしてでしょう


「貴方はどこに行くのですか?」


 少し気になったので聞いてみます

 男子学生は指をさします

 おやおやおや。私が向かうビルですね

 どうして男子学生があのビルに行くのでしょう


「貴方は学生ではないのですか?」


「高校生です」


 答えてくれました。

 確かあのビルには何個か事務所のたぐいがありましたがどこも学生が立ち寄るたぐいのモノは無かったと記憶しているのですが


「お姉さんはどこに向かってるんですか」


 聞かれてしまいました。

 まぁ嘘をつく理由がないので答えましょう


「貴方と同じですね」


「えっそうなんですか!」


「そう言ってる間につきましたよ」


 さすがに階がバレるのは御法度だと思うので男子学生を先にエレベーターに乗せます

 私ってやはり頭が良いですね

 おやおやおや、男子学生は私が行く階に止まりましたね

 もしやスタッフかタレントの親戚かなにかでしょうか

 そう考えることにしましょう

 ソレでは私も行くとしますか


 エレベーターってはやいんですね5階まであっという間でした

 降りてすぐに見えたのが喫煙所です1人喫煙者がいますね

 高身長の白髪長髪切れ目ですね、スタッフでしょうか

 タバコって中毒性があって身体に害があるから準麻薬だと思うんですよね

 まぁ事務所で暴れたりはしないので、私は常識人なので!常識人なので!大事なことなので2回考えました!

 ソレでは事務所の扉を開けましょう

 やはりいましたね、男子学生

 おや、気が付かれてしまいました。まぁ忍び歩きはしていませんし普段から杖をついているのでバレてしまうのは当たり前なのでしょう


「おや、奇遇ですね少年」


「あっお姉さん!お姉さんも「別世界」のライバーなの?」


 おや?「お姉さんも」私もですか。つまりこの男子学生はライバーであると、そういうことでしょうか。そういうことですね、はい理解しました


「えぇ、そうですよぉ」


「そっか……ヤッタ」


 どうやら喜ばれてしまいました

 私の耳は良い方なのですよ


「あっ黒百合さん!待ってましたよ」


 マネージャーの昼間がやってきました

 中性的な顔立ちに小柄な身体、しかしその身体は武道の道に進んだモノの身体で一般人相手なら軽くあしらえるであろうこ事は私にもわかります。そして私も軽くあしらわれてしまうので指示には従うようにしています

 助手君みたいです。性格や経歴が、ですがね。

 助手君は私がそうなるよう仕向けたのですが閑話休題ですね


「本日はどうなされたのですか?」


 まずは最初の疑問です

 なぜ呼ばれたのか気になるのです


「そうでしたそうでした。黒百合さん!なんで同期と連絡とっていないのですか!」


 ???

 同期?連絡?ですか

 同期とは私と同じ時期に事務所に所属した方ですか?

 私そんな話聞いたことないですね


「同期の方の話というか情報を聞かされていないのですがぁ・・・?」


 率直に言ってみました

 記憶違いでしょうか、記憶力は良い方なのですがぁ


「え?私言いましたよ。ディスコードで通話してるときにちゃんと伝えましたよね!その後にコード送りましたよね?黒百合さん「あぁうん分かった」って言いましたよね!!!」


 記憶にないですねぇ

 いったいいつそんな会話があったのでしょうか

 分からないことは聞いてみましょう


「具体的にいつの会話でしょうかぁ。覚えておりませんでした」


「確認してみますね、えっと……ディスコードの最初の方の会話で……ありました!2ヶ月くらい前ですね!ほら!」


 スマートホンをぐいっと見せられます

 あぁ、その日は確か作業中でしたね

『コカイン』の特効薬の素材がたくさんやってきたので薬作りしてたんですよね

 薬作りで集中してしまうので話を聞いていませんでしたね

 

「その日は作業中でしたので話を聞いていなかったです。すいません」


 これぞ大人です。

 師は些細なことにも謝りませんでしたが私は違います、大人ですから!


「その日以外にも連絡は入れてたのですが、ソレについては?」


 昼間さんとの連絡の大半が野良猫か昼間さんの飼い猫の話だった気がするのだが違っただろうか?


「猫の話しかしていませんよね?」


「あっ、僕もほとんど猫の話だよ!」


 おや、男子学生さんも話にはいってきました

 やはり昼間さんは猫の話しかしていないんです


「あっしも猫の話しかされてませんね」


 先ほど喫煙所にいた白髪長髪の切れ目な男性が話しに加わりました

 ということはこの方もライバーあるいは昼間さんと近しい人であるのかな


「沙英君、優太さん。私大事なこともお話ししてますよね?」


 昼間さんが2人に聞いています。私は猫の話しかされていないと思うのですが

 あっ履歴は見るつもりないです、めんどくさいのでぇ


「うーん、大事なこと1割、猫9割って感じじゃない?」


「沙英殿の言うとおりですね」


 真昼さんはコレきたりといった表情で私の方を見ます


「ね!私ちゃんと猫以外の話もしてるでしょ!」


 コレは話の論点をすげ替えられていますね。

 このおっちょこちょい具合がかわいいんですよね


「昼間さん昼間さん、同期の話じゃなかったの?」


 男子学生が軌道修正してくれました

 偉い子ですね

 良い子良い子、あっつい癖で頭を撫でてしまいました。助手君の頭を撫でる癖がここででてしまいました


「あっ、えっ、あっ………///」


 赤面してますねぇ

 ういですねぇ


「あっし人たらしというの初めてみ見ました」


「私もです!」


 ふふふコレが人たらしですか私って魔性の女のですね

 助手君に自慢できますね

 まぁ話を戻して認めましょう

 証言がある以上まともな話をしていたときがあるのでしょう


「昼間さん、私の確認ミスであったかもしれません。すいません」


 昼間さんはエッヘンとすこし勝ち誇った笑みを見せます

 かわいいです

 ほんとに助手君に似てますねぇ。おちょくりたいです今はおちょくらないのですがね


「それで、今日はそのお説教でしょうか?」


「あっいえいえ。今回は顔合わせです!本当はあと2人いるのですが予定が合わなくって……まぁ後の2人は後日ということで。今日は高校生の「布津沙英」くんと「白木優太」さんの紹介です。2人とも黒百合さんの同期ですよ!」


 どうやら2人とも同期だったらしいです

 まぁ一般人で良かったです。もし純正の薬物でもやっていたら………。ってダメですね特効薬(3)はできあがっているので中毒状態を無くせば良いだけですねぇ

 まずは自己紹介でしょうか


「こんにちは改めまして私「尾田蒔黒百合」といいます。医者をしているので怪我した際はお声がけください応急処置くらいはして差し上げれます」


「……いや、遠慮しておきます」


「よろしくお願いいたします」


 沙英さんはさっきのあれがダメだったのですね。

 優太さんは社交辞令ですね

 昼間さんはお会いした際に話はしているので反応がないですね


「あと薬物には手を出さないでくださいねぇ」


 少し空気感を意識的に低くしてみます。

 まぁ圧力というモノです、他の言い方だと私の独特な空気感でしょうか

 まぁ薬物には手を出すなと言いたいだけなのですがね


「は、はい!」


「お、おう」


「はーい!」


 沙英さん優太さんは感じれたらしいです。

 昼間さんは気がつけなかったのでしょう、まぁこう言う方はなにかきっかけがなければ手を出さないので大丈夫でしょう……

 

「ソレではこれからよろしくお願いいたします」


「うん、よろしく」


「よろしく」


――――――――――


 尾田蒔黒百合のお話でした

 どうでしょう1人1人の意思をなるべくくみ取るよう書いてるのですがよ読みにくかったら遠慮無く言ってください。

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