94話 【ゲームやる】マリカ【月夜輝夜/彼岸零】

  


 エンターテイナーはお客の心を掴むことが基本であり神髄であるとマネージャーが言っていた。では私に何が求められているのだろうか。


 私はリスナーを楽しませているのだろうか?


 私が悩んでいると輝夜おねーちゃんが後方より話しかけてくる。振り返ると段ボールを抱えてニッコリと笑っている


「零、ゲームやらんか?」


 それが事の始まりだった


【ゲームやる】マリカ【月夜輝夜/彼岸零】


・マリカだ!

・マリネットカート楽しみ!

・零ちゃん運転できるかな?


――準備してるぞ――


・待機じゃ

・待機しておる

・待機させてもらうからの


――BGM――


・もうそろそろじゃのぉ

・来るのじゃ

・来たれなのじゃ


「よい子に待っておったかのぉ?」


・我らよい子

・よい子よい子

・月の民はよい子にしておったのじゃ


「諸君私だ、彼岸零だ。」


・零ちゃん!!!

・零ちゃんマリカできるの?

・がんばって!


「うむ、コメントも調子がよさそうじゃしはじめるとするかのぉ」


「……輝夜おねーちゃん飲酒運転はダメだぞ」


・まさか今日はゲラ様化するのかぇ?

・声を聞いた限りじゃまだ飲んでおらんようじゃのお

・飲酒運転はだめじゃぞ!


「こ、これはゲームゆえ許してほしいのじゃ」


「ゲームでも運転は運転だぞ」


「零が厳しいのじゃ~」


・たしか輝夜様って酒が入るとマリカうまくなるんだっけ?

・ゲラ様はマリカうまいからのぉ

・零ちゃんよくやった


「気を取り直して――そっれではゲームスタートなのじゃ!」


「まずは何をするんだ?」


・予想はしてたけど初見か

・零ちゃん初見プレイなんだ

・輝夜様手加減をしてあげてぇ


「操作キャラをまずは選ぶんじゃ、我はこのでっかい悪者亀じゃ」


「んーどれを選べば良いのか分からんな」


「直感で選べば良い、そのうち使いやすきゃが現れるだろうて」


「ん、じゃあこの赤い帽子のキャラで」


・輝夜様はクッパか

・零ちゃんはマリオだね

・まぁ初見ならキャラとか関係ないもんな


「次は乗り物じゃ。我は安定感のある車じゃな」


「私は、んーこの小さな二輪車で」


・輝夜様は安定をえらんだね

・零ちゃんはバイクだね

・レインボーがでなければ……


「それではレースに行くぞ!」


「―――これをここで投げれば良いのか?」


「あー。零やりおったな!我に赤甲羅投げおったな!」


「勝負だから仕方ない」


・零ちゃんの前にいるのが仕方ない

・あっでも巻き返した

・おお!輝夜様巻き返して1位ゴールだ!


「ふふふ!我強い!」


「次」


 ・


 ・


 ・




「………なぜじゃ、なぜ我が負け越しておるのじゃ」


「私の方が強い」


「ぐぬぬ、3セットやって1回しかかてなんだ。ぐぬぬ」


・輝夜様が手加減をやめて本気でやっても勝てないなんて

・まだ、まだゲラ様が残ってるから

・ヤツは輝夜様の中でも最弱


「ほ、ほうじゃ!我は月夜輝夜の中でも最弱!お酒を解禁すれば強強なのじゃ」


「ダメだぞ、時間も時間だからな」


「ぐぬぬ……なら配信きってからも続行するからの!」


「まぁ付き合おう」


「よし!ならば皆解散じゃ!」


・輝夜様ぁ

・動画内では負け越しだね!

・零ちゃんのつよつよなところが見れたからまぁいいよ」


・・・・・・・・・


 マリオカートではないです、「マリオネットカート」です!

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