75話 零、お誕生日おめでとう!
配信も終わり一息ついたところで大部屋へと向かう
一緒に配信していたメンバーがそわそわしているが何かあるのだろうか?
襖の前でなぜか私が先頭になるように調整されていたがまぁいいだろう
襖を開けて1番はじめに目に入ってきたのは助走をはじめた力の姿だった
「れーいー!たーんじょーびーおーめーでーとー!!!」
力の突進が私のお腹に突き刺さる
いわゆるクリーンヒットだ、気が緩んでいたのかもしないな。身体強化の魔術を描けていなかったため軽くよろめく
「うっ、……ありがとう」
朝にも「おめでとう」といわれプレゼントも渡されたからもうすんだ話だろうと思っていたが部屋を見た感じまだ続くようだ
「零、おめでとうなぁ」
「零さんおめでとうございます!」
「零ちゃん。おめでとう」
初日配信組のメンバーが「おめでとう」を言ってくる
「零、おめでとうです!」
「れ、れいさん。おめでとう」
「美しきお嬢さん、おめでとう」
なんだかむずがゆくなるな。
だが、心地良いものだな
「む、おめでとうなの」
あのネムにも祝われてしまう
どうしたら良いのか迷っていると姿をくらませていた4番が耳打ちしてくる
「0番こういうときは“ありがとう”って言うっすよ」
4番に言われた通りお礼を述べることにする
「ありがとう。こういうのになれていないからどう言ったら良いのか…。」
ほほえましいモノを見る視線を向けられる
「零、今までがどうだったか分からないがあの日零が行動した日からは迷うことをしてきたのじゃろう?なら今後の人生も迷うことをするのじゃ、人間は迷って進むもんなのじゃ。人によって答えなんて変わるもんなんじゃから」
輝夜が素面でそういう
酒が抜ければ良いことを言うのだな
「迷うことをする。か」
迷っていたら人類が滅びると思っていたときは終わったんだな
「よく迷って自分を確立するのじゃ」
「あぁ、了承した」
輝夜は言うことは言ったと言わんばかりに手に持っていたコップをあおる
「あ゛ーうまいのー」
これがなければ良い“お姉ちゃん”なんだがな
「零さん夜食どうですか?配信してる間に準備したんです」
「あっ、力ちゃん独り占めはダメよ~」
「ありがたくいただくよ」
・
・
・
夜食も食べ終え歓談を楽しんだ後少し夜風に当たりに中庭に出る
今ここにいるのは私と4番だけ、端から見れば私1人であろう。なぜなら4番が認識から外れているから
「なぁ4番、私は進んで良かったのだろうか?」
あのまま死んでいた方が良かったのだろうか?
『その道が正しいかどうかは自分にも分からねえっす。でも、今の0番を見れば間違ってはいなかったと思うっす』
間違っていなかったんだな
「私はこの後何を成し遂げれば良いんだろうか」
分からないんだ、今の居場所は大切と思えるだからこそなくしたくない
『まずはやっぱりとどめを刺すことじゃないっすかね?』
人類を。いや、私の大切な人を守るためにしなきゃいけないことだな
「だが、今の私は根源に接続できていない。」
魔力のほとんどと記憶力のほとんどを削り取られた。今の私にできるだろうか
『なら、根源に接続からっすかね』
そうだな。1つずつはじめなきゃだな
「―――我が身は我が思いをなすためにある。」
『おっしゃるとおりで』
・・・・・・・・・
作者「やっと旅行編おわった?」
零「あぁ終わった」
作者「長かった」
零「もっとまとめてくれたら早く終わっていたが?」
作者「おっしゃるとおりで」
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