63話 おはよおからの撮影会

  


 ん、右腕が……重い。

 騒がしいな、寝過ぎたかもしれない

 周りのうるささに目を起こすと私の周囲を囲むように輝夜、鏡乃アリス、森アカネ、金色力がガヤガヤと騒いでいた


「―――零さんを抱き枕に……。負けた」


「零がネムの布団にいるのです!」


「お菓子でも隠してるのかー?」


「そう騒ぐでない、他の者まで起きてしまうでは無いか」


 話を聞くかぎり4人は起きたばかりなのだろう

 よく見ると輝夜以外、まだ眠そうだな

 私が目を開いているのに気が付いた輝夜が「起こしてしまったか?すまんな」と言った表情をしている


「おはよう。朝から元気だな」


「おう!オイラ元気だぞ!」


「れれれさんの寝起きです!!!写真写真を撮らなくては!!!」


「そっそうです!写真撮らないとです!!!」


 鏡乃アリスと森アカネがスマホを探しにのそのそと動き出す

 いつもの輝夜なら2人を止めているだろうが今の輝夜は2人を見逃している

 

「なーなー輝夜ー。朝ご飯はまだかー?」


「あと1時間はあるのぉ。」


「なーなー輝夜―。お菓子食べて良いか?」


「食べすぎるで無いぞぉ」


「なーなー輝夜―。他の種類のお菓子も食べて良いかー?」


「よいぞぉ、食べすぎるでないぞ~」


 このように金色力にかかり切りであるため2人を止められなかったのはしかたなかったのだ


 ・  


 ・


 ・


「零さんこっち可愛いです!」


「零、こっちに目線くださいです」


 パシャパシャとなり続ける


「零さんこれ抱えてください!」


 鏡乃アリスが枕を抱えるよう指示してくる

 そしてなり響くパシャパシャ音


「つ、次はこれ着けてくださいです!」


 森アカネがアイマスクを着けてと言いつつ、着けてくる

 私の頭にアイマスクを着けるため接近した森アカネの身体はとても慎ましかった。


 パシャパシャパシャパシャ


 目元まではいかないくらいの位置にアイマスクをずらすとまたパシャパシャ音がなる

 そこでやっと輝夜の声が届く


「おぬしらはよう着替えんか!眠りこけておった3人も起きよったぞ!」


 輝夜の注意のおかげでパシャパシャの音はやんだ

 輝夜は「ふぅ」と息を吐きつつ私が先ほどまで眠っていた布団をはがす

 私がさっきまで眠っていた布団はネムの布団、つまりそこには


「………む。かえしてぇなの」


 ネムがいる


「朝じゃ。着替えてくるのじゃ」


 輝夜が行動を促すがネムは動かない


「……返してなの」


「ほれ動くんじゃ」


 言葉が荒くなってきた


「返すの!」


「起きるんじゃ!」


 どちらも譲る気が無いようだ

 この場合はどうすれば良いのだろうか輝夜の教本にはかいていなかったが。

 にらみ合いの止め方なんて読んでいないのだが 


「むすー(プンプン)」


「むふー(優越感)」


 どうやら悩んでいる間に輝夜が勝ったらしい

 

「ね、ねぇ零ちゃん。これ、開けないの?」


 紅鬼が私が最初に寝ていた布団の周りに置いてあった袋などを指さす

 私は少し首をひねる


「私のものでは無いが?」


 はて?私は袋や箱を持ってきていないし使い魔達も外にだしてから帰ってきていない。つまり私のモノではないのだが


「あ~多分じゃが零はプレゼントをプレゼントだと理解してないぞ」


 輝夜が紅鬼にいうと紅鬼は「え、そんなことある?」といった表情をする


・・・・・・・・・


 写真会?それともポン会?紅鬼の頭の中が「?」でいっぱいな会?


 とりあえずおやすみ!

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