55話 無表情な零だが輝夜には分かる、こやつ喜んでおる!
55話
カンカンと球が机とぶつかる音が続く
零は金色力との試合を終え普通の試合というのを見ていた
卓球台には2人
1人は先ほど零に完敗した金色力
もう1人は一見運動ができない風にみえるカムパネルラだ
球は場外に落ちることも2回バウンドすることも無くラリーが続く
未だに先制点を取るモノはいない
球に金色力がしかけるが難なく返されてしまう
すでにラリーは15分続いている
どちらともミスすることが無いまるでお手本のようなラリーだ
零がその試合だけにかまけていると意識の外から話しかけられる
「お主、なんだか嬉しそうじゃな」
輝夜だ
いつの間にか零の隣にやってきていた
零の表情はあまり動いているようには見えない
無表情と言われた方がしっくりくるのだが輝夜は「嬉しそう」といったのだ
「そんなにわかりやすいか?」
零はソレを肯定しうれしがっていると言外に言う
それを見ていた紅鬼は驚きを隠せなかった、意識は零と輝夜の方でかかり切りになり球の行方を気にすることができなかった
卓球台を大きくいづれ飛来した金色力の剛速球は紅鬼の頬に思い切り当たる
卓上ではねていないためカムパネルラに先制点があたえられる
「や、やらかしたぁぁぁ」
金色力のやらかしからなる大声はネムすらも起こすほどの威力を持っていた
だがしかしこの世には起こしてはならないモノがある、それは悪魔だったり天使だったりそういったたぐいのモノなのだがもっと身近に起こしてはならないモノがあるソレがいま金色力の声によって起こされてしまった
「……む、力うるさい、の!!!」
ネムは金色力の鳩尾にむかってブローをはなつ
綺麗に決まったネムのブローは金色力をよろめかせる
「ぐっ、。」
ネムは気が収まったのかまたベンチに横になる
金色力はふらふらと立ち上がり構えを取る
「ふ、ふ、ふぅ。さぁ続きを……」
「力ちゃん、休んでなさい。」
「まだ、オイラは戦える!ぐっ……」
「休んでなさい!」
「……ハイ」
カムパネルラの説得により金色力は休憩に入る
会話が止まっていた零と輝夜も会話を再開させる
「それで、何かあったのかえ?」
ストレートの球を輝夜が投げる
「あぁ、久しく4番と顔を合わせたからな」
零が変化球を投げる
「4番というとこの前話しておった狩人のことかえ?」
輝夜はまたもストレート
「うん、今は少し頼み後をしたからまた後で紹介する」
今度は零もストレートをなげる
「しかし偶然会えるようになったというわけでは無かろう?なにか理由に心当たりは内の変え?」
輝夜は零と配信外でもよく喋る、そのため零の人生なんかもある程度聞いていたりするその中で大戦にっまけてしまった過去の者達をもう一度生き返らせるコトは難しいと聞いていたのだ
「ひとつだけ心当たりがある。さっき倒れたとき夢を見たんだ、夢の中で少女にだった少女が誰を帰していか聞いてきたから4番と答えたんだ」
「ソレかもしれんのぉ」
それ以外に理由が無いというわけでソレが暫定一位の理由になった
「他の皆もはやく会いたいなぁ」
零の目は希望に満ち、宝石のように静かにだがはっきりとキラキラ光っているのであった
・・・・・・・・・
紅鬼お前が1番まともなんだ!なんとかしてくれ
「む、むり!」
断られた……。おやすみぃ
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