33話 VTuberの配信を見よう2
33話
『ヒーローやれ?無理です!え?拒否権ないの!?」
白金色の長髪、背の小さなアバターの少女が画面に映っている
「おはよう、今日も今日とて活動をはじめたいと思います……はい」
少し気落ちしている事が見て取れる
「今日の枠は雑談枠なので話してほしいことがあったらコメントして下さい。」
500・今日も元気ないね
300・朝ご飯食べた?
5000ちゃんと寝れてる?
500・元気に配信したことないけど元気にしてるの?
・辛いことない?
コメントが川の流れのように流れていく
「元気なんてあるわけないよ、だって3徹だよ?配信すぐ閉じて寝たいくらいなのに配信しないなら怪人退治に行けって担当が言ってくるんだよ!ご飯も味わえないしヒーローになってから辛いことばかりだよ!」
台パンというモノが聞こえてくる
500・配信中はゆっくりしてもろて
・大変だー
9000・気になったんだけど配信中は怪人退治誰がやってるの?
・↑怪人が待ってくえてるのかな
・↑それ可愛いな
「配信中は他のヒーローが私の地域にも来てくれてるんだ!楽ができて嬉しいよ!」
・ここまで嬉しそうな声は初めてだ!
・他人の不幸は自分の幸
・ヒーロー業界の闇ここにあり
・大丈夫?消されない?
・ヒーローブラックこれ分かっただけ儲けもの
「私の配信見に来る同僚なんていないよ、皆見る時間ないから…」
500・なんて悲しい
・ヒーローほんとに存在するならなりたくないランキング第1位だな
・給料良くても3徹するくらいなら他のとこ行く
コメントが流れたときアバターの表情がスッと感情を無くす
「……給料?もらってない…ライバーとしてのお金が全部…」
・!?
・え?ブラック
・深淵はそこにあった
・ヒーローやめれないの?
100・これどうぞ
「ありがとう。ほんとにありがとう。ありがとうついでに誰かヒーロー変わって」
・やだ!
・無理!
・絶対にヤダ!
・世の中の社畜はまだ社畜になりきれていなかった
・労働時間のしっかりしているとこに就職しよう。そう思いました!
「……おねがいしまし、寝たいんです。休暇をください……」
彼女の言葉には哀愁が感じられた
10000・あっそうだ、睡眠配信とかどうよ?
・↑それだ!
・寝てもろて
「……禁止事項に乗ってる」
・……チーン
・救いはなかった
・地獄は意外に近くにあった
「あいつらいつでもどこでも現れるから寝れないし、放っておくとすぐ悪さするから……はぁ」
6000・そりゃため息つきたくなるわな
・怪人君さぁ、
・時と場所を選んでほしいね
「ほんとだよ!弱っちいんだからおとなしくしててほしいよね」
4番がいれば簡単に解決できそうな案件だな
「誰か私を助けてくれーーー!!!」
・・・・・・・・・
書き始め「狐耳の巫女さんつくりたいなぁ」
書き終わり「労働?いいえこれは強制的なボランティアです!」
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