25話 歌枠という名の雑談枠1
昨日は身体が休むことを覚えてしまって不甲斐ない姿をさらしてしまった。
だが今日の配信は対策をこうじてきた、そう時間をずらしたのだ
お風呂の時間を配信後になるのだが、まぁ大丈夫だろう
「やぁ、昨日は配信中に寝てしまってすまなかった。あらためて連絡が無くてすまなかった」
昨日の反省と3日の反省を口にする
・いっぱい寝てもろて
・睡眠の重要性に身体が気づいたんだね!
・連絡無くて心配したけど元気そうで何より!
・元気でいてくれたらそれでいい
コメントを見て少し気が和らぐ
「さて、今日の配信は歌枠だ。私自体が歌に触れてこなかったからこの3日間なるべく他のメンバーの歌やその原曲を聞いたりして勉強した、つたないモノだが聞いていってくれ」
今回の枠説明をして配信画面に今から歌う曲を打つ
・ん?今歌に触れてこなかったって言わなかったか?
・言ってたな
・3日間勉強したって言ったな
・なんだろうフラグかな?
演奏が始まり少しして歌い始める
「ーーーーーー~♪」
歌っている最中は歌詞を目で追っていてコメントを見ることができなかった
歌い終わると後ろで声を押さえ込んでいる夜空に気が付いた
「・・・ぷっはははは!なんじゃそれはお主はジャ●アンか何かかのぉ?」
ジャ●アン?それは人名だろうか?
「コテンと首をかしげるでない、コメント欄を見てみるがよい。ほれ」
・あっ
・うっ耳が
・カワボなのになぜ?
・耳がぁぁぁぁ壊れるぅうう!
・ジャ●アン解釈一致てかコラボ配信なの?
・あれ?ミュートした?
・鼓膜無いなった
「・・・これはいったい。」
コメント欄が阿鼻叫喚となってしまった
「零、お主は歌が下手じゃ!ものすごく下手くそじゃ!もうそれは歌と言うより音の暴力と言った方が良いかもしれん。それとコラボでは無いぞ、後方腕組みしていただけじゃからな」
歌が下手でこうなってしまうのか
「歌っていったい何なのだろうな・・・」
私が感傷に浸ると輝夜が私の隣にきて配信画面を変えていく
「ほれ、これでええじゃろう」
配信画面には『歌が下手すぎたのでコメントひろいながら雑談する』と書かれていた
・わざとでは無かったのか
・音の暴力!!!
・後方腕組み!?
・歌って、歌ってなんだよ!
・輝夜様ありがと、鼓膜がほんとに無くなるところだったよ(音量MAX)
・MAXニキ・・・
「それじゃ我は後方に戻るでの。(プシュッ)」
・あれ飲んでなかったの?
・プシュッ!
・2缶目かな?
輝夜あてのコメントだがひろっておこう
「輝夜のあれは3本目だな、夕食に1本目、配信前に2本目、今ので3本目だ」
・輝夜様……。
・歌が絶望的だったけどほんとに歌に手を出してなかったんだね
・ここまで酷い歌は聴いたことが無い
「そこまで私の歌は酷かったのか、歌を聴いたのも3日前が初めてだな」
ニコニコと私に対して視線を送る主は無視する
・歌は聴きたいけどあの歌声は……
・魔術でどうにかならないの?
・↑それ思った、やっぱり難しいのかな?
「魔術か、確かにできるとは思うが私の前で一度その曲を歌ってもらわないと無理だな、目で見ないと投影ができないからな。配信を見るだけじゃ魔術でもどうにもならんな」
修行(休暇)中、読書している間はイヤホンで配信を流していた、その中に歌枠があってそれを参考に歌枠を使用と思ったのが今回の事の発端
・目で見ないと、ね
・後ろに歌がうまいゲラが……
・いたりする
私の話を後ろで聞いていた輝夜がまた私の隣にきてパソコンを操作する、マイクをずらし歌いはじめた
「~~~♪」
・輝夜様歌うまいよな
・なぜ「津軽海峡●景色」なのか
・分からんがうまい
多分選曲に理由は無いだろう、歌い終わると私の方にマイクを戻し「ほれ」と言ってくる
・ま、まさか歌うのか?
・音量下げなきゃ
・お、俺は信じるぜ(ぴぴぴさげる音)
・↑おいおい
演奏が始まったので輝夜の歌い方。呼吸の仕方や力の入れ方を全てトレースした
「~~~♪」
・すげー!!!!
・何がすごいってそっくりそのままなんだよな
・声だけ違うけどそのままなんだよな
・これが魔術の力なのか
後方に戻っていた輝夜は満足げにパチパチと手を叩く
「どうだったろうか?私としては魔術でコピーしただけのリプレイ機になったようだったよ」
・確かにコピーみたいだった
・んー、零ちゃんの歌って言うより輝夜の歌って感じだった
・↑確かに
不服なのか「ムー」と声を出している主は無視しよう
「今後の努力にこうご期待と言うことで」
・・・・・・・・・
歌が下手な女の子彼岸零
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