第3話

「埼京線はさ、こーやってると、

無事、やり過ごせるわけよ...!」


「なにしろ、昔、私は男の人で嫌な思いをしたから、私なりの防衛策っていうか...!」


「おにーさん、何気に強面じゃん。

肩幅もあってがっしりしてるし、、

この、マッチョな感じがいいのよね...」


「ちょっとした隙を見て、この、ぎゅうぎゅう詰めに乗じて色々と悪戯してこよーとする

輩がいるわけだからさ、、、」


そんな会話をしつつ、俺の胸筋から腹筋にかけて、綺麗な右手の人差し指で、つつー、と

撫でてくるあたり、俺のこと、ボディーガード的な男だも思ってるのは、まぁ、いいのだが、そーゆー、刺激を与えるのはマジで止めてほしい。


「お、おい、、、!」


小声で慌てると、マヒロは、

フフッとイタズラっ娘の目をして見せた。


「敏感ー!!www」


俺、毎日のように、美少女とこんなやりとりをしてるから、周りの男性乗車客から、殺意のような眼をされることも多々ある。

ま、でも、俺、一応、学生時代に柔道やってたから、まぁ、眼光も鋭くて、睨み返せば、

彼等は、すぐに下を向く。


あとはその。


いいなー、羨ましいなー、って、

羨望の眼差しもたまにくるが。

それには、特に睨み返さない。

仕事のある日は、

毎日、、こんな感じで降りる駅まで過ぎていった。


彼女の方が先に降りる。


俺はその次の駅で、いつも降りてた。


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