第11話   犬も歩けばなんとやら 路地裏Stray dogs 4

[離せ!離しやがれ、このブス犬!!]


けたたましい怒号が響く


周りの人間には犬がキャンキャン吠えてるようにしか聞こえてないだろうが・・・


ブルは胴長の犬をがっちりと咥えてに駆けていた


『イチレイ橋』・・・ずいぶん前に人間が建てた橋だ


川までの高さが10メートルあるらしいことから俺たちはそう呼んでいる


橋へ着くと相変わらず犬が吠えた


[離せってんだブス!]


[離せってか?いいぜ、足元見てみな。]


うるさい犬が促されて足元を見る


すでに犬の短い脚は橋に届いていない


[すいません、やっぱり待っ・・・]


時すでに遅し、ブルは犬を川に向かって放った


少しして『ボチャン』という音がした


(うわ・・・アイツ腹から落ちやがった・・・)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

I'm DOG. DOG to Nameless . ム月 北斗 @mutsuki_hokuto

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る