第6話 籠の中のなんとやら 6
不思議な夢を見た
目の前には一面の草原っぱ
私は二本足で走っていた
いつも見る視点よりは少し高い
走る速さはいつもよりずっと遅い
息が切れる
でもその足は止まらない
楽しくって、楽しくって
どうしようもないのだ
‘‘止まらない‘‘じゃない
‘‘止められない‘‘なんだ
どこまで走っただろうか
足を止めて振り返る
そこに見えたのは
どこまでも続く草原っぱだった。
―――――――――――――――――――――――――――
そこで私は目が覚めた
ふわふわなタオルケットの上
ふと、気配がしたので振り向くと
いつもの人間が私に向けて『目の付いた板切れ』を向けていた
クスクスと笑っている
首をかしげて近寄ると言った。
「見る?カワイイ寝相だったよ。どんな夢を見ていたのかな?」
板切れの裏側は光を放っていて、そこには見覚えのある茶色い毛玉が映っていた
無我夢中で足をぶんぶんと動かしている
間抜けにも口を開けよだれが垂れていた
間違いない・・・私だ。
でも悪い気はしなかった
■■は楽しかったのだから。
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