第4話   籠の中のなんとやら 4

今日も人間が来た。


いつもの食事、綺麗なシーツ、そして・・・


見たことのない毛の塊。


黒くて、人間が抱いていると埋もれて見えないほど小さい。


エサ皿に置かれた食事を私たちは無我夢中で頬張るとき


その毛の塊は人間に抱かれて白い液体の入ったビンにむしゃぶりついていた。


よっぽどうまいのだろう、中身がなくなっても一向に咥えて離さない。


人間は何が面白いのかクスクスと笑っていた。


毛の塊が人間に優しくなでられている


いいなぁと見ていたら人間は私の頭を撫でてくれた。


嬉しくて思わず「ワンッ!」と鳴くと


毛の塊がつられて鳴いた。


「ニャー」


ニャー?


私はニャーと鳴こうとした


・・・どうやらこの毛の塊、とても器用なようだ。

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