第3話   籠の中のなんとやら 3

一つ屋根の下


私たちはどうやら「犬」と呼ばれる存在らしい。


人間には無い「尻尾」


人間とは違い「四本足」


人間とは違う所にある「耳」


まるで違う存在。


ある日、私たちの居場所に虫が入ってきた。


ブンブンと耳障りな羽音がどこか怖くみんな吠えていた。


いつもの人間が入ってくる


上を飛んでいる虫は怖くないのだろうか?


人間は窓を開け、虫を置いてあったカラフルで柔らかそうな塊を器用に使い


窓の方へと追いやった。


少しして、虫は窓の外へと飛んでいった。


人間はすごいな


私たちは怯えているだけだったのにな


感心していると人間が声を掛けてきた。


「いいかい?虫だって私たちと同じで『生きている』。よっぽどでもない限りその命を奪っちゃいけないよ。」


私たちと同じ?


「形」は違えども同じなのか?


人間は難しいことを言うんだな。


私は再び感心した。

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