第2話   籠の中のなんとやら 2

あの日見た母の顔を私は忘れることができない


繰り返し見上げた天井のシミのように


脳裏に焼き付いて離れない。


私と共にいた「兄弟」と呼ばれる者たち。


気が付けば彼らとも私は離れ離れになっていた。


そして今は、全く知らない者たちと共にいる。


白いやつ、黒いやつ、茶色いやつ


みな、共通してるのは私と「似ていない」。


みな、私よりも小さいのだ。


いつも食事を運んでくる人間が私の頭を撫でるとこう言ったことがある。


「お前は『特別』だ。」


特別?


特別とは?


それは私にとって良いことなのか?


それとも人間にとって『良いこと』なのか?

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