第8話 ソニックブームっ!!!!
「負けるな会長!!!!押せ押せ!!!」
「頑張れ天才!!!!お前なら行けるぞ!!」
「剣でもいけるぞぉ!!!おい科学で頑張れよ!!」
「物理で計算できんだろぉ!!?お前なら行けるぞ!!」
わいわいがやがや言われながら俺は………。
「はぁはぁ……」
どうしょうもなく死にそうだった。
「くぁぁっ!!!」
汗一つもかかず剣を振りかざしてかかってくる女の子。
「ひいっ!!!?」
俺は変な声を上げながら今日何度目かになる奇跡的回避を見せる。
マジで、これ本当なら10回は死んでるよ!?
これ労災降りるのっ!!?
ずっと引きこもっていた俺に体力勝負のブツリは無理だったのだ。
いやさ、たしかに物理で計算するのは得意だしなんかスゴイ章ももらったけどさ。
物理的に殴るとかそういうのは専門外なのよぉっ!!!
「ちょたんまっ!!!俺死ぬっ!!?」
俺がそう叫びながら避けても、
「問答無用っ!!!!」
女の子はとてもにこやかな表情で剣を振り続ける。
怖いよ!? 若干ホラーよ!!?
なんでそんな楽しそうなの!?
あなた人殺そうとしてんのよ?
もう少し悲しみとかさ、躊躇を見せなさいよ!!?
命なんだと思ってんの!!?
「うぎゃっぁ!!!!!?」
俺はカエルのような声を漏らして剣をすれすれでさける。
いやぁぁああ!!!?
ねぇ今見たっ!!?
俺の服切れたよ!!?
制服がビシって切れたよ!!?
おいまじでもう少し深かったら肉ごといってたよ!!?
死んでたよ!!? You Are Dieよ!!?
この世界ってゲームじゃないの!!?
コンティニュー不可なのわかってますか!!?
「はぁぁあああっ!!!!」
俺がヒイヒイ言って逃げていたら、不意にそんな声が聞こえる。
やばいと思って振り返ると、なんかアニメの必殺技みたいに剣をまっすぐ構えて、目を閉じている女の子がいた。
あれ、これって…………
「散、血ッ!!!!!!!!」
あっ死んだ。
俺は直感的にわかった。
剣を振り上げた女の子がそれを下に振り始めた瞬間に俺はわかってしまった。
死ぬわ俺。
もうお陀仏だわ。昇天だわ。
ブュゥウウウウンと風が音を立てて俺へと迫ってくる。
「あっ、ソニックブーム」
俺はそうつぶやいて諦めの境地に立ち、ゆっくりと目を閉じた。
みなさん、おやすみなさい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます