第6話 切羽詰まったのならば、カッコつけよう。

「なんで俺が、なんで俺が………。」


俺は未だに納得できず、石を蹴りながら久しぶりの学校への道を辿っていく。


くそ…なんで俺が…………。


「うぅ、クソの太陽め。本来なら俺は今頃都内の一等地に建てられた俺専用のラボでクーラーの下、ポチポチ去年発表した新・相対性理論を書き直してるはずだったのに………。」


せっかく国が俺に一等地をプレゼントしてくれたのに……。


冷房完備…………アイス食べ放題………無料自販機………。


あぁくそぉ!!! 全部がほしぃ!!!!


「あぁもう!!日光ウザイ!!!今に見てろよ!!お前を来年には薄い膜で覆い尽くしてそのエネルギー全部利用してやっかんな!!!」


銀河文明まで進めてやる!!!

恒星のエネルギー余すことなく利用してやるぅ!!!!


俺は発狂しそうになるが、流石に近所迷惑なので控えて、学校へ文句たらたら歩いていった。


 ◇ ◇ ◇


俺は学校の入り口から顔をのぞかせてつぶやく。


「あれ?始まってる……?」


何か終盤って感じなんですけど?


てか最後も最後じゃね?

俺の出番じゃね?


「あれ、もしかして俺待ち?」


俺はその場に流れている異様な空気をできる限り読んで、そんな答えを導き出した。


俺のことみんなで待ってる感じ?


「…………これ普通に入ってったら絶対怒られるやつだよね?」


俺は体育座りをして若干震えながらつぶやく。


うぅここの先生嫌いなんだよ、みんなして怖いんだもん……。


どうしよどうしよ………。


「どどどどうする………もうこうなったら!!」


俺は考えた結果、吹っ切れて。


「すまん待たせた」


何か良いところにあった棒に手をついて叫んだ。


ここまできたらもう!!! カッコいい風を装うしか無いじゃんっ!!!

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