創作を書く意義

常々、考えていることがある。


漫画や小説に代表される『創作活動』。その主目的は『創作主』の「好み」の世界を表現することだと語られることが多い。実際、シチュエーションやキャラクター、世界観の構成など、様々な部分にその方の考えや価値観、嗜癖が反映されている場合が非常に多く散見される。


では、自分の場合は?


勿論、私も同じだ。好きなキャラクター、世界観の傾向があり、それが如実に表れている。だが、自分の好きを貫くために創作をしているのかと聞かれると、すんなり頷くことはできない。


自分と創作にある関係性とは……?


考えていく中で、二つの説が産まれた。

一つは偉大な先人たちから受けた恩恵を、自分の手でも再現してみたいというもの。そして、もう一つは『創作キャラクターたちの人生を見たい』という欲求だ。


私はあらゆる創作物の影響を受けながら成長してきた。ある時は励まされ、ある時は自身の在り方を見直す大きな契機となり、先人たちの言葉が血肉となり、今も生き続けている。大好きな作家さん達が居なければ、私という人間は存在しえなかった。


自分の価値観や考え方を伝えることで、誰かを助けたり、勇気づけたい。

まだまだ半人前で、技術も感性も追いついていないような状態だが、それでも、私の言葉で何かを感じ取って下さるだけでとても嬉しい。


私は、創作したキャラクター、世界観、全てを愛していて、彼らの行く末を共に見たい。創作キャラと世界との対談を垣間見、滲み出た痕跡を捉え、描写したい。上記した願いと同じくらい強い欲求だ。


……上記した項目と矛盾していて非常に恐縮だが、私は『評価され、称賛される』ために創作を描いているのではない。勿論、誰かの心に届ける作品を描くことも非常に大きな目的だが、同時に、創作キャラの感覚や心を共に見つめ、世界の不条理や葛藤と戦い続ける彼らの背中を見守りたい気持ちが強い。他の方の視点が介在することはない。自分と世界の純粋なる対談を続けてゆきたいのだ。


改めて見直し、私の創作に対する思いは、『利己』と『利他』が入り混じった良く分からない感覚になっていることに気づいた。自身の考えや捉え方の特徴を窺い知り、ちょっと照れくさいし恥ずかしい。


……貴方はどうだろうか。ぜひ、お話をお伺いしてみたい。



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