最近の楽しみ

最近、メイクやファッションにハマっている。


今までは美容関連の事柄に一切興味が湧かず、「化粧は面倒くさいし、たかが布に高い金を払うのはもったいない」などと不届きにも考えていた。だが、ライブ会場等で直接お会い、応援を行う「アイドル」を推し始めてから、考え方が一気に変わった。


「不細工な状態でお会いするなんてありえない、神聖なる推し様を冒涜するようなものだ。申し訳ない。少しでも綺麗な状態でお会いできるようにしないと……。」

と思い立った私は、周囲の友達や先輩に色々お伺いしながら、身なりを整え始めた。


最初こそは他の人のために行っていた化粧や服選びだったが、最近は自分が好きになってどんどんのめりこんでいる。


近所にあるショッピングモールに行くと、真っ先に化粧品売り場や服屋に向かう。好きな服や足りていなかった化粧品を購入することで、とても大きな充実感を感じるのだ。極力安い店で品を揃えるようにはしているのだが、あまりにも散財しすぎて親に呆れられることもしばしば。気を付けてはいるのだが、不十分なのだろう。


化粧やファッションには遊園地に行っているような「非日常感」がある。顔に彩色したり、着飾ることで今まで知らなかった姿になれる。新しい自分の可能性を知ることが出来る。誰かに気に入られたり、好かれるためにやっている訳ではない。純粋に変わることが楽しいのだ。他者がむやみに介在せず、ひたすらに自問自答や技術の伝達が行われるのが、メイクやファッションの世界だと個人的には感じている。


また、創作活動に知識を応用することが出来るのも大きな利点だ。何が何だか分からない状態でそれとなく描いていた頃と違い、キャラのパーソナルカラーや骨格に合わせた服や小物が何かわかるようになってきたのだ。


趣味を他人と合わせることに苦痛が伴う自分にとって、これほど心置きなく楽しむことが出来る趣味はない。かつての自分に感謝するばかりだ。



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