第4話 コロスコロスコロス
殺す!殺す、殺す、ころす、ころす、コロス、コロスコロス、コロスコロスコロスコロス
意識が殺す事しか考えていない、殺意の衝動は前世よりも大きくなっているようだ。単純に幽霊になったので気が大きくなったのか、はたまた生前に復讐として殴るだけじゃなくて殺して置けば良かったと後悔しねいたからだろうか?
理由は分からないが、確かな事が1つ。それは生前よりも沸点は低く、1度高まった感情はすぐには冷めないと言う事だ。これは幽霊全般に言える。
例えば人を水中に引きづり込み殺してしまう幽霊が多いのは幽霊により人間が水中で殺され、殺された人間が幽霊となり引きづり込まれ殺された事に激怒する。すると幽霊を殺したくなるだろう、しかしその殺す相手は幽霊では無くいつの間にか人間になっている。それが感情が冷めることは無く繰り返されるために水中の幽霊は多いのだ。
潤楼の場合は最初は幽霊を殺すでは無く、最初から人間を殺すとなっているので人間に取って最悪な幽霊になるだろう。有名な幽霊、とりわけ人間を殺す幽霊として有名なのは最初から人間を殺すと感情が高まってるのが多いので潤楼はその道へと歩を進めてしまった事になる。
「ちゃんと風呂場付近見てから上来いよ」
泥棒Aが上に行く前に泥棒Bへと振り返って言葉をかけて顔を前に戻し階段を目指そうと歩き始める。
「チっ、分かってる。なんかあっても変な事すん………な…よ……お、おい……」
言葉の途中で顔が徐々に青ざめて行く泥棒B
そういえば幽霊に関してもう1つ言うべき事があった。それは誰にでも見える幽霊はヤバいと言う事だ。
潤楼は階段に向かっている泥棒Aの首を掴もうと手を伸ばす。
「おい!早く逃げろ!早く逃げろ!飛び降りても良い!死ぬよりはマシだ!」
泥棒Bが潤楼の後ろで入って来た窓に走りながらそう叫ぶ。その言葉は前にいる泥棒Aにも上にいる泥棒仲間にも言っている様に思える。
「あぁ?何言って……っ!!!!!」
『コロスコロスコロスコロス』
泥棒Bの声を受け、振り返った泥棒Aが見たものは黒の強弱でのみで身体の輪郭がハッキリと見える人間以外の化け物だった。そしてふと思ってしまった、誰かに似ている……と。
そして次の瞬間、目の前にいる化け物はさっきの家族写真でもテレビでも見た事のある。
気が付いたその時
「うっ、がっ……息がっ……はな……せ」
潤楼に首を掴まれてしまった。
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side上にいる泥棒C
実は泥棒Cは2階に上がってからは漁ると言うよりかは何かを探すと言う動きをしていた。もちろん探しているのは金目の物では無い。
「今のところこの家の奴らは趣味とか好きな事がすぐ分かって良かったな、次の部屋は……お?ここは女の子の部屋か?どんな趣味かな〜」
実は泥棒Cは金目の物を取るのが目的では無く、勝手に人の部屋に入りその部屋の主の趣味や好きな事を探して見るのが目的になっている。泥棒AとBと一緒にいるのは自分のしたい事が出来るし、金も手に入るから丁度良いやと思っているからだ。
その為金目の物回収を後回しにする為毎回泥棒AとBに早く金目の物回収して逃げるぞ!と怒られている。
今回も2階に上がり、近い部屋から目的の物を探していた。
阿羅鷲家は階段に近い部屋が両親と兄の潤哉、遠い部屋が潤楼と美華という間取りになっている。
どうやら泥棒Cは両親の部屋を見た後に兄の潤哉の部屋を見て、今から美華の部屋を見るようだ。
「隠してる趣味がないか〜?」
ガサゴソとタンスや棚を開け中を確認する泥棒C、そうしていると1冊の本が出てきた。
「お、これはアルバムか?ちょっと見てみるか」
そうしてアルバムを見ていると、下の階から声が聞こえてきた。
「おい!早く逃げろ!早く逃げろ!飛び降りても良い!死ぬよりはマシだ!」
「ん?なんだ?死ぬよりはマシ?どういう事だ?」
アルバムを閉じ、階段方へと歩き出す泥棒C
それが最悪の選択だと気付く事なかった。
いや、この家に入った事事態が最悪の選択だっのだろう。泥棒達にも、人類にとっても。
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