第5話 棄てる
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「お……い、……はな……
泥棒Aは自分の首を締めている黒い何かの両手を伸ばす。
「な……」
しかし、その両手は黒い何かの手に触れる事は無く。ただ黒い手の中で自分の手同士がぶつかるだけであった。
『コロスコロスコロス』
「ぐっ……」
更に強く首を締められついに死ぬと錯覚した泥棒Aは気絶した。死ぬ直前で黒い手の力は急激に弱くなったのにも関わらず。
何故力を緩めたのか?それは潤楼の少しの理性がこう考えたからに過ぎない。
何故俺達家族の家でクズを殺さないといけない、殺すなら外ですればいい……と。
「おーい、何があっ……た……」
そして丁度泥棒Aが気絶した瞬間に泥棒Cは2階から階段を使い降りてきてそれを見てしまった。
そしてその声に反応する様に泥棒Cを見つめる。
そして次の瞬間
「ぐっ…あ……何が……」
泥棒Cの首を締め、泥棒Aと同じ事をし始めた。もちろん一旦の終わりは泥棒Cが気絶するまで……本当の終わりは殺すまで……。
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side泥棒B
泥棒Aに黒い何かが襲いかかった瞬間に泥棒Cへの忠告を大声で言った後に命からがらと言えるほど一心不乱に入った窓から外へ飛び出し車に向かう。
車に乗り泥棒AとCを見捨て車のエンジンをかけその場から逃げようとする……がしかし、そんな上手くはいかない。
いつの間に降り始めていた雨に気付いたのは外へと飛び出し雨によって転けた時だった。
雨は降らない予報のはずだったのに、そう頭に過ぎると同時にアイツが振らせたのでは無いかと思う。
理解不能の幽霊、ネタでも都市伝説ですらない本物の幽霊の殺意を目の当たりにし、その殺意の標的に自分が入っている恐怖や絶望が足をもつれさせ車への移動時間を増えていく。
僅か数mほどしかないのにも関わらず車に辿り着くまでの時間は長かった。
雨や泥でビショ濡れのまま車の運転席に乗りエンジンをかけようとエンジンつける。そして前を見る。
その時の光景を泥棒Bは生涯忘れないだろう。いや、その生涯はもう終わるのだった。
前を見た時にいたのは空中で力なく垂れていた泥棒AとC……そして黒い何かだった。
急発進をしようとアクセルを踏み込む泥棒B……しかし、車が動く事は無かった。アクセルをベタ踏みしながらも出る前に車に異常はなかったと考える。事実エンジンもついているて車は正常に稼働しているが動く事はなかった。
「どうなってんだ!」
そう言葉を口に出した途端身体が前へと引っ張られフロントガラスを頭から破り外へ放り出された。
そして潤楼は頭から血を流し絶命している泥棒Bを気絶している泥棒AとCの前に浮かせ泥棒AとCを無理矢理痛みによって起こす。
すると
「「うわぁぁぁぁぁぁぁあ!」」
叫ぶ泥棒AとCを生きたまま四肢をもぎ取り殺した。その後捨てるように辺りの血と一緒に家から10m離れた場所へと棄てる。その後潤楼は家の中へと戻り、荒らされた物を元の位置に戻していた。
普通に絶叫が聞こえたら人が見に来るはずだが男達の絶叫は雨の音にかき消され誰にも気付かれる事は無かった。
翌日の朝この凄惨な事件は発見され全国ニュースへと取り上げられた。
後に現場に来た警察の現在検証の者はこう言った。
「あの車の状態と亡くなってた人の内の1人はシートベルトを着けずに時速100km以上の時に急停止したみたいな事が起きてるはずなんだ」
と言った。その後に車は動いてい無いのが謎だとも言った。
当然ニュースには車が前に止まっていた家の事も調べ報道された。
その家は死刑となった阿羅鷲潤楼の生家であると……。
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