フラッシュバック

電話越しに伝わる友人の動揺とか 焦燥とか

嗚咽漏らす彼に

「何があった」とは聞けないが

苦痛の共有は難しいか その気になろうとする僕は偽善者か

 深夜24時 隣の暖房の排気音

不純な感情を抱えたまま 人の悲しみを受け入れようとする僕は裁かれるべきか


全部僕のせいな気がすんだ

 全部関係ない気がすんだ

  全部忘れよう提案だ


僕はただ、踏切の手前でたたずんでいるばかりでした

 

慰めの言葉が見切り発車で送られたが

それは一時しのぎで

 軽々しくて

この期に及んで取り繕うつもりか


 どうしようもないかも 彼が言った

  そうか そんなら僕もきっと

   なんもできねぇや



日付がかわる頃、唐突に思い出すのは

たいていそういう記憶

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