誕生——日緋色の陰陽児
ミシミシと、音がなり
「芝生が盛り上がってこっちに来てない? やだ! 結界が縮んでる!?」
「
と
「やっぱりまだ、おれたちを諦めないのか……」
苦しい表情の
「ヒヒイロカネのワタシと
「困りマシた。どうシマしょう」
「うーん。大きい
「ピュリリリ」
「そうか、
「
「アア! ゆで卵ヲひよこニ変えたアレですネ!」
「見てたの? いつの間に?」
「忍ビこむノハ得意デスって言ったコトあるデショウ?」
ドヤ顔をする
「
「
叫ぶ
「
「みんなで待っててくれよ。おれは、ここで決着をつける」
「
「だめよ!
「きゃ!」
「
「ご武運ヲ、
「いや!
盾の入り口は閉じられた。
「これで終わりに」
……後ろが騒がしい。ガッコーンゴットーン。
「開けてよ!
「ダメです! ワタシを叩イテも開けマセンよ!」
「ソコ殴っチャいけマセン! 静かニ!」
「開けろー !! 」
ドカドカドカッ。バキッ。
「なに? あら真っ暗」
「
「これが
「だめだ!
ドカドカッ! ガンガンガンッ !! ガガガがっ !!!
三人でよってたかって、殴る蹴るの暴行。
「みなサン! ヤメテ下さい! コレ! ヤメンカ! コレ!」
「
「ア」
元の
「あんたたちゃ、まったく」
ゲンナリ
「
「自分で
「そうよ! 独りで責任を持つなんて!」
「あいつをやっつけるなら! みんな一緒よ !! 」
「お願いよ。
「ありがとう。みんな」
「感動のシーンですネ。ヨヨヨ」
目にハンカチを当てる
涙は出てないけどハンカチはどこから出した。
「
「
「
「
そこは聞こえないふりで。
「頼むよ、
「
「何のことかちらぁ?」
即答でごまかす
緊張感もへったくれも無い。どこまでも
こうしている間にも、結界は縮む。
プンスカの
「ええと。
武器をイメージする。
「オリハルコン!」
「……」
「……何デスか? コレハ。
学は、ただの金属の塊になった。端っこがちょっと尖っただけの。
またゲンナリの
「オリハルコンって、
「それは
オリハルコン。その名は古代ギリシャに登場する。有名なのはプラトンが、紀元前三百六十年頃に出版したクリティアスという本に、〝アトランティスに存在した幻の金属〟と
日本では
「テヘぺろ。だって武器のイメージなんて分かんないもん」
仕草がカワイイ。
「鬼丸ナントかっテイウ日本刀ハ?」
オリハルコンっぽい何かの
「実物を知らないから」
「ゲームとかに出てくる、カッコイイ武器とかは?」
「ゲームはしないから」
「
「
だから
「こう!
(
「ピュリリリリ!」
けたたましい
「あ!」
「
「ハイ」
『
日本神話でスサノオがヤマタノオロチから取り出したと伝わる
炎を
やがてその
長さは1メートルを超えていた。地面から少し浮いて立っている。
「すごい。これが
いつの間にか
「エーと。ドンナ姿なんデス? ワタシにハ、見えナイんですケド……」
変身した
「こ、これで見えるかな?」
「コレがワタシ……。ステキ」
鏡に映った自分を見て、
「アレ? ワタシの中ガ? マルで、泉が湧クようナ、何かガ
また
「
「
たまらず
とたんに。
今、
「……おれたち、五人の戦隊ヒーロー?」
「みんなお揃いで
「フフ。〝復活の
「
ウキウキ顔の
「盛り上がってきたわね! イッキに行くわよ」
「ふん」
もっと力を入れて
「ふんヌぬ! 重い……」
動かない。
「
どんなに大きく、小さくなっても例え広くなっても同じ対価を必要とするのが
「
「おホホホホ。失礼な、
「だいたい50キロ」
「ソレ言っちゃダメェー!! 49・5キロデスよ! 50キロジャ、ありマセン!!」
「ごめん
「トほほ、デス」
あやまってないぞ
「この
「私も?」
「一緒にって、約束したじゃん」
「がんばって。
「何があってもぜったい、二人の邪魔はさせないよ。ぼくたちにまかせて」
「ワタシもイマす」
そうだ、そうだった。
「五人みんなで、あいつを、
二人で
一部が開いた! 青空がのぞき、小鳥のさえずりが聞こえる。
「やった!」
「これなら。
「うん。これなら
「ワタシも思いヲ込めてマスヨ」
二人の思いを感じて言う
「分かってるよ」
「もちろん。
「
「もう力は残ってないから。でもまた、ためているのかも」
「公園にいる人たちが見えた!」
「向こうの人には、私たちが見えないのかしら?」
こちらにいる
「強力な
動きが鈍くなったとはいえ、結界はまだ縮み続けている。あいつからの攻撃は、本当にこれで終わったのか。
「
「あいつはまだ、何かを企んでいる」
「
「いいのね?
「みんなを
そして天を指し示すようにゆっくりと振り上げる。
すると、
稲妻が
全てが真っ白になった。何も見えない、聞こえない。何が起こったか、も分からない。
時が、止まったようだった。
「
「頭の中が真っ白よ。撃たれたよね。雷に」
「どうナッタんですカ? ワタシたち」
三人はなんともない。
『?』
「ヤッホー。
空から
「
「
「わたしたちは大丈夫よー」
「ぼく、鬼退治の時に、コツをつかんだよー」
ドンッ! 次の一撃がまた、
「
ほめる
「避雷針かー!!」
つっこむ
「
「ステキよー。
大きな声の
「愛の力デスネ。イチャイチャすんナ」
「なんかムカツク」
「
「私たちもー! ああなればいいのよー!!」
「さて、雷のみなさん。空に帰りなさい !! 」
破れた
「
感心する
「
「
「半分、残してあるんだー。あいつがまた攻撃してくるかもしれないからー」
「!
「? ワタシの
「そういうことね
「
『なるほど !! 』
五人の気持ちがそろった。
『いくよ!
雷鳴が鳴った。稲妻が
『
五人の声とともに振り下ろされた
五人の負けない気持ちが詰まった
それは、迷うことなく真っ直ぐに、
その時、
(人か?)
(人なの?)
右半分を仮面で覆った顔。二人と目が合う。笑った。その顔は炎に包まれて、そのまま燃え尽きた。最後まで、笑いながら。
『人間!
二人が声をそろえて叫ぶ。
燃え上がる
その時、
そしてこの戦いが終わったら。
ほんの、一瞬見えた出来事に涙が流れる。
あっという間に灰となった
「勝った?」
「勝った。よね?」
「勝てマシタ。ですヨネ?」
「勝てたわよ。私たち。そうでしょ?
見えた光景が頭に残る
「これが本当のことか、分かんねえ」
(
五人に、言葉が注がれる。
「今の、神様? みんな感じた?」
「勝ったんだよ! おれたち !! ……(さよなら、兄さん)」
「やったああああ!!」
みんなで飛び跳ねた。
「やったわね!
「うん。
我に返る
「見たわ。あれは人間だった。それと」
「私も……
「それ、思い出したんだ。どこまで?」
「
「それだけ?」
「そうそう! 私たち、夫婦になる約束してた !! どうよ! どうよー!」
はしゃぐ
「そそそそんなことは思い出さなくても」
「ププぷ」
「
「二人も見たんだ。あいつが
「ワタシにも分かりマシタ」
「
「うん。あいつが燃えたのは見た。ここに
「前髪が
「
「ふう。気が抜けちゃった」
「
びっくりする
突然、
どんどんあふれて、止まらない。涙が次から次へと頬を伝って落ちていく。
「あれ? 私……。ああ、そっか」
感情が、膨らみ切った。
「
「私だけ……人間に生まれてきたなんて」
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