群れ

トワイライトとざわめきに

わたしは身を寄せ耐えている


たとえばほら目の前に

剥がれかけのマニキュアと

絡み合う骨張った指の隙間に

パンダかわいかったね

不釣り合いに眉を顰めた女の血


月のものというけれど

そんなちゃちな綺麗ぶったことばはいらない

捩れるような子宮の蠢きに

魂までも吸いとられそうでわたしは怖い


ああもう!

どうしてこうなのか

アカンボを産む代償がこれか

ちょいと重すぎやしませんか神様

お前の体はお前のものとはよく言ったものだ

こんな体なら願い下げだよ


素知らぬ顔の群れたちよ

お前には見えていないのか

この生温い血の色が

それとも気付かぬふりなのか

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