第101話

~大志side~


集会を行った翌日から、さっそく俺は動いていた。



赤旗のチームマークはすでにわかっているし、それに注意するようには言ってある。



だから、今度は赤旗へ警告を送るのだ。



といっても、赤旗の本体はまだ何もつかめていない。



アジトがどこにあるのかも、わからない。



だから、少し遠まわしかもしれないけれど、メディア関係を利用するつもりだった。



幸い、力耶の父親がライブ会場の経営者ということで、メディア関係の人間ともつながりを持っていた。



俺は、そのコネを使うつもりだった。



出かける準備をしていると、家の前でバイクが止まる音がした。



そして、すぐにチャイムが鳴る。



今日は母親も父親も仕事で出かけているのだが、バイクに乗っていたら心配させるから力耶に迎えに来せたのだ。



「悪いな力耶」



家を出てヘルメットを受け取り、後ろにまたがった。



「いや。学校をサボる理由になってちょうどよかった」



「あ? お前ちゃんと学校行ってたのか?」



「一応な。お前ほど頭がよくないから、テストで点数も取れないからな」



「へぇ。凡人も大変なんだな」



「うるせぇ」



力耶イラッとしたようにそう言い、いきなりエンジンをふかした。



突然加速するバイクに上半身が後方へ振られ、、「うおっ!」と、声を上げる。



あっぶねぇ!



「ははっ! ばぁ~か」



力耶がおかしそうに笑う。



くそっ!



文句を言ってやりたかったが、振り落とされては困るので俺は口をつぐんだのだった。



☆☆☆


俺の家から数十分走ったところで、バイクが止まった。



付いた先はローカル番組を放送しているテレビ局だ。



バイクを下りてメットを外し、その建物を見上げる。



なかなか立派な建物だ。



自動ドアの入り口の両端には、局のイメージキャラクターの置物が置いてある。



「親父が先にアポを取ってくれている。行こう」



「あぁ」



そうして、俺たちは中へ足を踏み入れた。



局の中は綺麗でチリ1つ見当たらない。



来客用の受付へ行って松原の名前を出すと、すぐに案内してくれることになった。



さすが、力耶の父親。



顔が広い。



ガラス張りの洒落たエレベーターで最上階の13階まで上がると、廊下に赤いカーペットが惹かれた階に出た。



ここにえらい人がいるらしい。



エレベーターを出て真っ直ぐ、白く大きな両開きの扉の前まできて立ち止まった。

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