第100話

でも、みんな元気そうだ。



「みんな、心配をかけてすまかった!!」



ステージの中央で、俺は全員へ頭をさげた。



「刺されたは、俺に隙があったからだ。それに、赤旗をナメていた部分もある。全部、俺の責任だ」



そう言うと、会場からかすかなどよめきがわいた。



「大志さんは悪くないっす!」



「そうだ! 悪いのは赤旗だ!」



「卑怯な連中です! 絶対に、つぶしましょう!!」



誰も、俺を責めたりはしない。



その優しさが、胸にジンワリと広がって行く。



「ありがとう、みんな……」



頭をあげると、力耶と強がステージに上がってきた。



「赤旗の最近の情報をまとめた」



そう言い、力耶がメモを渡してくる。



それに目を通していくと、徐々に胸の奥から怒りがこみ上げてくるのがわかった。



中学生を渡し屋に利用する薬物売買。



年配者への詐欺行為。



「ふざけんなよ……」



俺はメモを握りしめてギリギリと奥歯を噛みしめた。



「年配者への詐欺行為は、すでに西区にも広がって警察も動いている。早く手を打たないと更に……」



「わかってる!!」



俺は強の言葉をさえぎって怒鳴った。



「いいか、お前ら!!!」



俺は、今まででないくらいの声で叫んだ。



「赤旗は絶対にゆるさねぇ!! なにがあっても、あのチームはぶっ潰す!!! この街は、俺が守る!!」


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