第70話

~千沙side~


「最近、平和だね」



学校からの帰宅途中、恋羽がそう言ってきた。



「そうだね」



恋羽の言葉に、あたしはうなづく。



アツシから恋羽が聞いた情報によると、ここ一週間ほどは赤旗の目立った動きが少なくなってるようだった。



西区や東区に出入りしていた連中も、今では姿が見えない。



「このままなにもなければいいのにね」



「そうだね」



あたしの言葉に、恋羽はうなづいてくれた。



けれど……。



あたしたち2人はこの静けさに妙に胸がざわついていたのだった。

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