第13話

そう言って、あたしは袋の中からミサンガを取り出した。



アツシは興味深々にそれを見つめ「すげぇ。これ、千沙ちゃんが作ったわけ?」と、聞いてきた。



「千沙だけじゃなくて、あたしも作った!」



隣にいた恋羽がアピールすると、アツシが少しだけ頬をそめて「そっか。すげぇな」と、小さく言った。



恋羽はその言葉にすごく嬉そうに微笑んでいるし、なんだかこの2人いい雰囲気なのかな?



そんな2人の邪魔にならないように、あたしは教室の隅に置いてある椅子に座った。



チャイムが鳴るまでもう少しここで待っていよう。



好きに遊んでいるメンバーに視線をやりながら、あたしはそう思った。

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