第20話 こちら中庭臨時実況席です

ミスって下書きに戻しちゃいました(^-^)

まぁ気にしないでくれ。


あと『炎』対『髪の毛』と書いたところで[髪の毛]が[対]のルビになるとかいう珍事が起きてたんで修正しました。

よろしくどうぞ。 2月28日


………………………………………………………


「変身!」


そう言うと七川の体が真っ赤な炎で包み込まれ、魔法少女『ナナ』へと姿を変える。


「嘘…」


「七川さんが魔法少女『ナナ』…?」


救出した人々モブ共がざわめく。

まぁ当然だ、魔法少女は言わば芸能人のようなもの。

考えてみてほしい、学校の人が有名人だったらどうなる?

答えは簡単。


「「「うおおおおぉぉぉぉ!!!」」」


「マジかマジかマジか!!」


祭り状態になる。


「推しが…クラスメイトだった……そうか、これは夢だ。じゃなきゃ説明がつかない。」


フッ…夢だと思ってるやつがいやがる。

しゃーない、教えてやろう。


俺はそいつに近付き、肩に手をポンと置いて言う。


「現実だぞ♡」


「あ…あぁ…ア”ア”ア”ア”くぁwせdrftgyふじこlp」


やべ、壊れちった。あっちの世界行っちった。天国行っちゃったよ。そうか、DI〇の言う天国ヘブンとはこれだったのか()


「おーい戻ってこーい。」


「0100110101010011010110100」


「おい内部情報出とるがな。」


内部情報が出ている生徒の肩を揺さぶっていると、七川が話しかけてきた。


「…灰島先生。」


「なんや七川。あ、今はナナの方がいいか。」


「……いえ、結構です。 ───今は何故知っているかは聞きません、その代わりあの怪人を片付けた後、必ず答えて下さい。」


何故知っているかの部分は恐らく、七川が魔法少女だと知っていた件についてだろう。

まぁ機密情報だし当然だな。


しかしどうすっかな。魔力の感じで気づいたとかは言えねーし…まぁいっか後で。そん時はそん時の俺が何とかするだろ。


「へいへい、なる早で頼んますわ。」


「……」


七川は何か言いたそうな顔をしていたが、特に何も言わず怪人のところに行った。


「──さて、俺もやることやりまっか。」


そう言って俺はあるものを運んできた。


「…?なぁ廃人、それなんだ?」


「あ?見てわかんねぇか?机と椅子だよ。」


そう、俺は机と椅子のセットを2つ持ってきていた。


「いやそれは分かるけどよ…なんで?」


「そりゃお前…なぁ?」


「いやこっちに理解求めんなて」


と、喋りつつガタガタと机を設置する。


「おし、出来た。」


「お?ここは拙者の出番でござるか?」


「あぁ御託いい所に。」


このいかにもな青年の名は御託 成草おたくなりくさ。違う、ごたくじゃない、おたくだ。

ただのダブりでデブりなオタクである。


そんな御託は並べられた机を見るなりこう言った。


「……、なるほど大体察したでござる。さぁ灰島氏、Time is money時は金なり。早く席に着くでござる。」


そう見事な発音を披露しながら俺を急かす。

余談だがこいつは英検2級を持っている。なんでダブりだ。


俺と御託が席に着くと、騒がしかった周りは段々静かになっていく。奇妙な雰囲気があったのだ。


「……?」


怪人と睨み合っていた七川も急に静かになったこちらを不審に思って横目で流し見ているようだ。


そしてしばらく静寂が過ぎたあと、遂に俺が口を開いた。


「さぁいよいよ!魔法少女ナナと髪の毛マシマシギャル系怪人のバトルが行われようとしています!実況は数学教師のわたくし、灰島盟介。解説は…」


「ダブり系魔法少女限界オタク、御託成草でお送りいたします。」


「「「!?」」」


…唐突に実況が始まった。ちなみに霧はいくらか晴れてきているため、見えんこともない。


「さて、現在の戦況は両者出方を伺っていると言う感じでしょうか。」


「そのようですね。どう思いますか、1ヶ月以上サボった作者さん。」


[おい待て、なんで俺が召喚されるんだ。

……まぁいいや、今は恐らくかなりピリついた空気になっていると思いますよ、例えば「はいありがとうございましたー、帰って下さーい」


[わーお理不尽]


「改めて戦況を見てみましょう。──やはり一瞬の油断も許されないような状態ですね。というかあの髪の毛野郎なんか人型をとっているようですが、なんかあれどっかで見た事あんな…なんだっけ」


「ト〇コのサ〇ーでござるか?」


「そうそれ!いやー懐かしい。」


「さて、話を戻しますが一見場を見てみると『炎』対『髪の毛』と炎の魔法を使うナナが優勢に見えますがどうでしょう?」


「一見そうでござるが、灰島氏もあの髪の毛が唯の髪の毛ではないと気づいているでござろう?」


「──まぁ、せやな。」


「拙者が確認しただけでも《硬質化》、《魔力遮断》、《電波遮断》などがあったでござる。

これのカラクリについては拙者の推理…というか妄想に近いが、自身の魔力の性質を変えることによって髪の毛の性質も変化させることが出来る…という仮説を立てているでござる。」


「それは俺も思った。多分耐火もできるんじゃねぇかな?俺が火を付けた時も燃えたけど直ぐに消えたし。」


「やっぱりこの説が割と濃厚でござるな…」


「おっとナナが動いた!」


「?…素早いでござるな。」


ナナが怪人の懐に潜り込み、火球を3発放つ。


「あれはなんという技だ解説の御託!」


「あれは〈焔・3連〉でござるな。当たると爆発する火の玉を3つ連続で放つ技でござる。威力が強いため、詠唱も長めの筈…」


「それが目にも止まらぬスピードで放ちました、これは《短縮詠唱》ですかね?」


《短縮詠唱》とは、その名の通り詠唱を短縮して魔法を放つ技術である。

しかしかなり高度なものであり、普通は余分に魔力と体力を持っていかれ、なおかつ精度と共に威力も落ちるため誰も使おうとしない。


しかし魔力に選ばれた才のある者が使うと前述した事がかなり軽減されいい事ずくめのため実力者は良く使う。

実力者、と言っても人類の中のひと握りだけ存在する魔法少女のその更にひと握り(ひと握りって言うかもはや指掴み)の者達しかまともに使えない。(ナノ情報)


え?俺?…いや俺は前人未到の《無詠唱》なんでwwサーセンww(クソ煽)


「左様、あれは《短縮詠唱》で間違いないでござる。いやしかし、本当に難しいこの技を使えるとは…流石は日本が誇る四天王の一角でござる。」


その間にもナナは髪の毛怪人の攻撃をかわしかわし、着実に攻撃を仕掛けている。


「あれは《爆手》、手に魔力を流し爆発させる技出ござる。」


「お、あれは《火花舞》。杖に刀の形をした炎を纏わせる技でござる。斬撃が当たれば当たるほど攻撃力が上がるでござる。」


「なんでそんなすぐ技名が出てくるんや……」


「しかし、やはり妙でござる。」


「?、何がや」


「ナナは最前線で戦うゴリゴリの攻撃手アタッカー。攻撃力に全振りしてるはずなのであそこまで早く動ける訳がないのでござる。」


「ハッ……まさか拙者にも編み出せぬ妙案を使っているのでは……!」


……………………………………………………………


(……妙ね…)


空中で体を捻り上手いこと攻撃を躱す。


(私がこんなに早く動ける訳……いつもはもう少し遅いはず……)


……………………………………………………………


「思い付く案はあるでござるか、灰島氏?」


「……」


「……?」


「ごめん、それ俺の仕業だわ。」


「「「え?」」」


……………………………………………………………


「え?……って危なッ」(魔法少女は五感が強化されているため聞こえている)


……………………………………………………………


「どういう事でござるか……?」


「俺さ、煙幕出したやん?」


「ああ、今も漂ってるこの白い煙。」


「これね、バフ付くんよ。」


「バフ……というと、あのバフでござるか。」


「そう、そのバフ。」


「いや、分からんよ。」


救出したモブの1人がツッコむ。


「あ?お前ゲームやっとらんのか。いいか、バフってのはな、対象を一時的に強化する魔法・スキル・アイテム類、もしくはそれらを使った強化行為を指すゲーム用語だ。」


「なんかニコ○コ大百科からコピペしてきたかのような説明口調でござるなww」


「えぇっとつまり、この煙はナナちゃんを強化する効果があるってこと?」


「せや。ちなみにこれはタバコではなくタバコ型バフアイテムやからな。」


「あ、だからあんな人間離れした動きができたのね。」


「そゆこと。」


なんかどさくさに紛れて俺の身体能力問題解決したわヤッター。


「ん?灰島氏、一般人がそんな力を手に入れられる危険なものを一体どこで……」


「教師マジック」


「いやでも」


「 教 師 マ ジ ッ ク 」(鋼の意思)


「ウィッス」


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