第6話「コンクールと体育祭」
夏のコンクールの日が来ました!
残念ながらアタシは補欠になっちゃって、本番には出れないけど、その分、上井先輩がバリトンサックスを頑張る姿を客席から見れると思って、一生懸命応援するんだ!
会場に行くバスでは、2年生の男子の先輩が、上井先輩と神戸先輩を隣同士に座らせてたけど、2人とも会話してたのかな?アタシは前の方に座ってたからよく分かんないけど…。
そのコンクールは、終わった後で記念撮影があって、1枚目は出なかった人も含めての全体写真、2枚目は3年生だけの記念写真。
全体写真には、本番に出れなかった部員も入ってもいいって聞いたから、アタシ、上井先輩の近くに行って、さりげなく前側に座ったの。
初めて上井先輩と、一緒の写真に写ったよ!(/ω\)
いつ届くのか分かんないけど、一生の宝物の写真にするんだ♪
次に3年生だけで写真を撮ってたけど、上井先輩は神戸先輩と並ぶのかな?って見てたら、副部長の女子の船木先輩と中央に並んでた。
部長と副部長のコンビってことなんだね、多分。
その後はバスが出発する夕方4時まで、自由鑑賞の時間。
本当ならこの時間を利用して、上井先輩に告白する予定だったんだよね…。
でももう吹っ切ったから、次のチャンスを狙うんだ、アタシは。
その上井先輩は、2年生の男子の先輩とずーっと一緒。男で固まってる。
神戸先輩は仲良しの女子で固まってる。
とても付き合ってるようには見えないなぁ…σ(- -;)
付き合ってたら、こんな時間は、2人で一緒にコンクールを見るものじゃないのかな?
アタシだったら、絶対そうするけどなぁ。
帰りのバスでも、上井先輩と神戸先輩は並んで座ってたけど、上井先輩はずっと黙ってて、神戸先輩は疲れたのかな、眠り込んじゃってた。
本当に、お母さんの言う通りかもしれないわ。
いつかアタシに、本当にチャンスが来るかもしれない。
その日まで、アタシは待ってる。
ホルンをもっと上手くなって、堂々と上井先輩に告白する日を待ってる!
そんなこんなでアタシの初めての吹奏楽コンクールは終わって、あっという間に夏休みも終わって、2学期が始まったら、学校の中は体育祭一色になっちゃった。
体育はアタシの得意分野だから、頑張っていい所を、上井先輩に見せなくちゃ。
あっでもそしたら、アタシのブルマ姿を上井先輩に見られちゃうってことだよね?
えーっ、恥ずかしいよぉ(/ω\)
でも吹奏楽部は開会式と閉会式で演奏するから、その時も体操服姿、つまり女子はブルマよね。
嫌だなぁ、ジャージを下だけでも穿かせてくれないかなぁ。
体育祭は、事前の予行演習と本番の2回、全学年が揃うんだよ。
その時、上井先輩に見られても恥ずかしくないように、ブルマもちょっと大きい中学校のじゃなくて、少し小さめの小学校の時のを穿いて、パンツもはみ出たりしないように小さめのを穿いて、万全の体勢でいなくちゃ。
そんなこんなを親友の梅ちゃんに話したら、
「アハハ!考えすぎだってば!上井先輩が朋ちゃんの体操着をそんなにガン見するわけ、ないじゃん」
って笑われたけど…。
そんな感じで、ちょっと照れながら体育祭の予行演習の日になったの。
吹奏楽部は別行動が許されてるんだ。
だから集合場所も最初からテントの下なの。これは嬉しかったよ♪
でもブルマ姿はやっぱり恥ずかしかったなぁ。
小学校のブルマを穿いて来たらパツンパツンで苦しかったし。普通に中学校のブルマにしとけばよかった…ρ(- -*)
あっ最初のチューニングは、照れちゃった!
1人1人、上井先輩が持つチューナーの前で音を出して、音程の調整をするんだけど、アタシの番の時は照れちゃったよぉ(*ノωノ)
だって憧れの初恋の上井先輩が、アタシのブルマ姿を間近で見てるんだもん。
もう死にそうなくらい恥ずかしかったっ((ノェ`*)っ))
チューニングが終わって、ホルンの席に戻っても心配で、パンツがはみ出てなかったかなとかチェックしてたら、ホルンの堀田先輩に心配されちゃった。
「朋ちゃん、どうしたの?ブルマでも破れたの?それともゴムが切れたとか…」
「あっ、先輩、何でもないです、なんでも…。大丈夫ですっ」
「そう?ならいいけど、何かあったら言ってね」
アタシは何人の人を巻き込んでるのよ。ますます恥ずかしくなっちゃった。
そこへ竹吉先生が登場。ジャージ姿の先生を見るのは初めてだから、格好良く見えたなぁ。
「みんな、チューニングは終わったか?じゃあ音出ししよっか。せーの!」
わーっ、外で一斉に音出しするのも迫力があるね!
アタシも負けないようにホルンを一生懸命吹かなくちゃ。
開会式の練習はすぐ終わったんだけど、そのあとクラスのみんなに合流するのが大変💦
楽器をケースに入れて、いったん音楽室へ運ぶんだって。その後になるから、最初の方の競技に出る人は大変だ~。
小さな楽器の人はいいけど、大きな楽器の人は大変だよね。
ホルンはそれほど大変じゃないから、よかった~。
上井先輩のバリトンサックスは、結構大変みたいで、まだ片付けに手間取ってる。
アタシが彼女なら、手伝いに行くけどなぁ。
その上井先輩の彼女の神戸先輩は、クラリネットだから簡単に片付けて、上井先輩のことなんか眼中にないって感じなの。
本当に付き合ってんのかな、あの2人…。
<次回へ続く>
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