第2話「吹奏楽部入部」
アタシの友達で、中学生のお兄ちゃんかお姉ちゃんがいるお友達が調べてくれて教えてくれたの。アタシの隣の棟の男子の先輩は、今2年生で、吹奏楽部で部長してるってことが分かったんだ。
友達に言ったら、
「えーっ、年上の男の人を好きになったの?!」
とか、
「アタシも中学校に入ったら、彼氏ほしい~」
とか言いながら、協力してくれたんだよ。
名前は、上井純一くん…いや、上井先輩。
実はちょっとホッとしたの。もし3年生だったら、アタシが中学に入ったら入れ違いで卒業しちゃうところだったから💦
だからアタシは、中学に入ったら、吹奏楽部に入ろうと決めたの。
楽器なら少し興味があったし、ピアノも習ってたし。
ただお友達が調べてくれた情報では、先輩がどんな楽器をやってるかまでは分かんなかったのね。
だから体験入部ってのがあるらしいから、その時に上井先輩がどんな楽器してるか見てみたいな♪
アタシの小学校と上井先輩の中学校は、国道を挟んで殆ど同じ場所にあるから、卒業する同級生は、国立や私立に行く子以外は、みんなそのまま同じ中学校に上がるんだよ。
だから上井先輩が小学校にいた時も、登下校で一緒になったりしたこともあるはずなんだけど、全然その時は意識すらしてなかったから、全く先輩のことなんて覚えてないの。
アタシの小学校が、集団登校してたら分かってたかもしれないけどね。
そして6年生の3学期が終わって、無事に小学校の卒業式も終わって、中学校の制服とか体操服とか通学カバンを揃えてると、少しずつ憧れの中学校生活が実現に近付いてるって気がして、毎日ワクワクしちゃう(◍•ᴗ•◍)
あっそうそう、この前買い物に行ったら、春休みなのに制服を着た上井先輩とすれ違ったの。
きっと部活に行ってたからだと思うんだけど、アタシ、勝手に照れちゃった(*ノェノ)
変な女の子だな?なんて思われなかったかなぁ、大丈夫かなぁ💦
そうこうしてる内に春休みも終わって、いよいよ中学校の入学式の日になったよ🏫
嬉しくて、お母さんに早く行こう、早く!って急かしちゃった(*ノω・*)テヘ
クラスに入っても、小学校の時からの知り合い、友達ばかりだから、全然緊張しなかったよ。
ただ、他の小学校から入学してくる子もいて、少し知らない子もいたけど、きっと直ぐにお友達になれるよね(^_-)-☆
入学式では、吹奏楽部の演奏が、アタシ達を出迎えてくれたの。
(あの中に上井先輩がいるんだ💖)
まともに吹奏楽部の方は見れなかったけど、ちょっとだけ上井先輩を近くに感じられたの。
嬉しかった〜(*´ω`*)
そして次の日の昼から、部活動説明会があって、その日から一週間、体験入部期間になるのね。
吹奏楽部の時には上井先輩が一生懸命に説明してくれてたけど、アタシは説明の内容より、先輩の声を聞いてたよ(〃´∪`〃)ゞ
その後、いよいよ部活動体験へ。
楽器に興味がある小学校からのお友達と一緒に、音楽室へ向かったよ!
《あっ、上井先輩だっ!》
遂に、間近で上井先輩のことをシッカリと見ることができた!
アタシの初恋相手の上井先輩が、音楽室にいたよ(。♡‿♡。)
何だか大きな楽器を持ってるなぁ。
「朋ちゃん、アレはバリトンサックスっていう楽器なんだよ。だから先輩と近付きたかったら、サックスを希望したら良いよ」
一緒に音楽室に来てくれた、小学校からのお友達の梅ちゃんが教えてくれたの。
そっか、サックスを選べば良いんだね🎷
…でも、サックスは人気なのかな、次々と希望者が並んでるの。
お友達の梅ちゃんも並んでたから、一緒に並んだけど、梅ちゃんはアタシよりも何だか上手そうだなぁ。
「朋ちゃんと一緒にサックスに入れたらいいねっ!」
って言ってくれたけど、どうなるかなぁ。
ちなみに上井先輩はそこにはいなくて、体験指導してくれてるのは女子の吉岡っていう先輩だったよ。
上井先輩は、部長として遠くから全体を観察してるみたい。
やーっと上井先輩に近付くチャンスを掴めそうになったけど、お話とか出来るようになるのはいつなのかな、お家もすぐそこなのに、いつお話出来るかな(。•́︿•̀。)
その後、アタシもサックス体験の順番が回ってきて、吉岡先輩が教えてくれたんだけど、なかなか音が出なくて難しかった~。
でもお友達の梅ちゃんは、難なくドレミファ~って吹けてたから、サックスに入れるのはアタシじゃなくて梅ちゃんかな…。
でもアタシはサックスじゃなくても、どんな楽器でも吹奏楽部に入るんだ!
その後も、金管楽器の体験とかさせてもらいながら、チラチラと上井先輩を見てたんだけど、卒業して高校に進学された先輩らしき方のお相手とか、音楽室に来てみたけど、どうすればいいか分かんない子達のお話相手してたりで、大きなバリトンサックスを抱えたはいいけど、練習は殆ど出来てなかったみたい。
その日の最後に、終わりの挨拶をされたのも、上井先輩じゃなくて、副部長の船木っていう女子の先輩だったし。
「1年生の皆さん、楽器経験者の方は割とスムーズだったと思うけど、経験がなくても、2年生、3年生がちゃんと教えますので、明日も吹奏楽部に来て下さいね。待ってます」
うん、明日からも頑張ろう!上井先輩と喋れるようになるために…。
<次回へ続く>
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます