第13話 万能少女にも苦手なことはある

 モンスターハンター、もうかれこれ何十年と続く息の長い国民的アクションゲームで日本問わず世界中でプレイされている大人気ゲームだ。

 実際本当に色んな人がやってるので若い外国の方と会った時会話に困ったら話題に出して見るといいよ!実際私はそれで乗り切ったから!たまたま会っただけなのに何故か気に入られて、その後その女の人とは一緒にゲームする仲になったんだけどね。

 まぁとりあえずすごい人気なゲームってことね。でもアナちゃんがやってるとは思ってなかったなぁ。いやでも、こればっかりは私も芽亜も他の人から思われてる事よね…。人は見かけによらないを地で行ってるんだもの。


「アナちゃんアクションゲーム得意なんだ」

「私ちまっこいのでこうやってのびのび動いて戦うゲームが好きなんですっ」

「も、モンスターハンター……」

「早速やりましょう!」

「いいね〜!…あれ?芽亜どうしたの?」

「あの…先輩…怒らないでくださいね?」


 ◇


「あはははっ芽亜ちゃん散々だったね〜」

「うぅ〜〜〜」


 あれから2時間ほど遊んだ後アナちゃんのお迎えが来そうだったのでお開きになったのだけど、もう笑っちゃうくらい芽亜が散々な結果だったのだ。

 敵の攻撃で死ぬのは兎も角、焦って操作間違えて死ぬこともしばしば。私もアナちゃんも別にクエスト失敗しても構わないし、散々笑わせてもらったので楽しかったのだけど肝心の芽亜はやはりそうは行かないらしい。


「敵の真下でお肉焼き始めた時は流石に笑っちゃったよね」

「先輩までぇ〜!」

「意外な発見でした、芽亜ちゃんがあんなに下手なんて!」

「でも芽亜って別に他のゲーム下手なわけじゃないじゃない?モンハンが特別苦手なの?」

「え、えーっと……。モンスターが怖くて…焦っちゃうといいますかぁ…」


 顔を赤くして恥ずかしそうにシュンとする芽亜を見ると何故か物凄く庇護欲を掻き立てられる。芽亜って一見しっかりしてるからこういう一面は凄く印象に残る気がする。


「「可愛い」」

「か、からかわないでくださいよっ!」


 アナちゃんが帰ってからも芽亜はどこか元気がないように見えた。


「そんなに気落とさないでいいよ?むしろ無理やりさせちゃってごめんね」

「あ、いえ!違うんです、むしろ一緒に遊べたのは良かったんですけど…」

「何か思うところが?」

「いや…その…出来ない自分が恥ずかしいと言いますか…」

「んー、私もホラーゲーム全く出来ないし誰にだって出来ないものはあってもおかしくないと思うけどなぁ」


 でもさっきの芽亜は単純に冷静さを欠いていると言った感じだったな。ならそれに慣れたら上手くなれるんじゃないのかな。


「怖さを克服したらいいって訳では無いの?」

「私PVEがかなり苦手なんですよね…。なんかこうプログラムされた動きを読むのが苦手で…。逆に対人戦だと得意なんですけど」

「普通逆だと思うのは私だけ?」



「じゃあ気分直しに他のゲームでもやる?」

「なら先輩、モンハンの練習付き合ってくれませんか?」


 お、おう…この泣き入りそうな上目遣い反則的に可愛い…。


「いいの?スマブラとかでもいいんだよ?」

「はい!それに…」

「それに?」


 芽亜は笑顔で笑って答えてくれた。


「今なら先輩を独り占め出来ますからっ」


 このセリフでドキッとしない子はいないと思うよ…。私が男なら完全に落ちてた自信あるもん。

 その後二人で寝っ転がりながら夜遅くまで一緒にゲームしたのだった。

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