第2話

部屋の中で聞こえていたのは禍々しい音ではなく、空気の入れ替えのために数ミリだけ開けた窓から聞こえる虫の声だけだった。

少し経って女の子が口を開いた。

『そこのあなた!』

麻菜は急に大声を出され驚いた。

その女の子はブロンドの髪にとてもよく似合ったきりっとしたアメジストの色だった。しかし、アメジスト色でありながら、海のように深く、光を持った目をしていた。

それは、あのフェルス・エルフェンリート嬢のようだった。【説明するとフェリス嬢は、麻菜の推しなのだ!】

麻菜はどうすればいいのか分からず「は、はい。」と答えた。

すると、フェリス嬢のような子は急に、世界一と言っても過言では無い、緩んだ笑顔をみせてくれた。麻菜はその時点でもう心をノックアウトされていた。『私はフェルス・エルフェンリートです。貴方のお名前は?』そう聞かれて麻菜は、「海津 麻菜です。」と答えた。

フェルス嬢にはまだまだ及ばないが、自分なりに最高な笑顔をみせた。

しかし、麻菜は頭のなかでは混乱していた。そのため、落ち着いていれば気付けたはずの、ある重要なことを見逃していた。


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乙女ゲームの推しがこちらへやって来た?! 香涼宮音 @tokageduti1

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