第3話「家に友人を招くヲタク」
早速友人から連絡が来ていた。
俺の家に向かっているらしい。
「了解」
俺は短く彼に返事をした。
しばらくすると、玄関の方からインターホンの音が聞こえた。
「はいはーい」
俺は足速に玄関に向かってドアを開けると友人が顔を出す。
「入ってもいいか?疲れちゃったよ」
友人はそんなことを言ってヘラヘラと笑っている。
「あ、あぁ、どうぞ」
俺はドアを大きく開けた。
余り友達を家にあがらせたことがないのでどう対応していいのか分からない。
「ありがとう」
ぎこちない笑顔を俺に向けた彼は手土産を持っていた。
レジ袋を両手に持って汗をかいている。
ー?
「なんだ?その袋は」
俺は眉を寄せて質問した。
「ん?手土産みたいなもんだよ」
まぁ、気にするなと言ったあと友人は靴を脱いで家に上がる。
「そうか、俺が持つよ」
そう言ってさりげなく手を差し出すと「おう、ありがとう」と言って俺の手にレジ袋を乗せた。
意外と重いな…。。
「それで?早速メイクに取り掛かるか?」
友人は汗を拭ったあと早速本題の話を持ちかけた。
そう言われても、汗をかいたままでメイクされるのはな…。
「いや、お前は先に風呂に入ってきてくれ」
俺はすかさず返答する。
「借りていいのか?」
申し訳なさそうな顔をした友人に俺は即答で答える。
「あぁ、当たり前だろう。」
その言葉に安心したのか「ありがとう」と言って風呂場の方に向かっていった。
あ、洋服を準備してやらないとな。
自分の部屋に戻ると押し入れから良さそうなパジャマを上下揃えて探した。
「あったあった」
俺は少し微笑み服を見つめる。
結構使ってないから埃っぽいけどそれぐらいは許してくれるよな。
早速、風呂場に向かうと友人はもうお風呂に入っていた。
ここら辺に置いておくか。
俺は洗濯機の上に置いて友人の服を洗濯機の中に入れた。
「洋服、洗濯機の上に置いておくからな?」
少し大きな声で友人に声をかけると、「あぁ、ありがとう」という返事が返ってくる。
誰かが家に居るなんて違和感だな。
一人暮らしを始めてからというもの家に帰っても返事が返ってくることは無く寂しい日々が続いていた。
此奴は素直に感謝出来るし気を使えるからモテるんだろうなぁ…。
よし、そろそろ戻ろう。
それから友人が戻ってくるまでアニメを見ていたのであった。
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