第7話(v2) 目的語の位置にある there の読み方

( 文字サイズ『大』、フォント『ゴシック』を推奨します )


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■ 「丸暗記厳禁主義・英文法道場」さんのサイトの「SVに準じるthere is/areに関すること」というページを参考にしました。


今回色々と本来作ってあった形態素名が増えています。"tif_S"が to不定詞の意味上の主語だとか、"rif_S"が原型不定詞の意味上の主語だとか、rif_SPR:原型不定詞の意味上の仮主語だとか書いていますが、以前に書いてますようにこれらは本来の主語とはちょっと違う意味があるんだ、という程度に認識してくれれば良いと思います。


英語で最も難解なのが、副詞/副詞句/副詞節 や 形容詞/形容詞句/形容詞節 が修飾している相手が何処なのか? というもので、これは日本人にとってはとても理解し辛いものだと思います。


この形態素付き英文では、ある修飾語が直後の語を修飾していない場合は、なるべくどこの語を修飾しているのかを明示するようにしています。


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◎ p1n1 [*1]

 英:(A) I {don't want} there {{to be} {any misunderstanding}} .

   (B) I {don't want} {there {to be} {any misunderstanding}} .

 訳:(A) ⑪私は ㉕いかなる ㉖誤解も ㉑⑱あって ⑬欲しくない。

   (B) ㉛私は ㊹いかなる ㊺誤解も ㊵㊳あって ㉝欲しくない。

【Hint】there構文を SVO に当てはめる場合は、there を(仮)主語にして SV there to do S' の形になるとのこと。

【メモ】形態素付き英文では、"tSPR"(to不定詞句の意味上の仮主語) , "tif_T"(自動詞のto不定詞) , "tS"(to不定詞の意味上の主語) をそれぞれ示しています。"want"の用法には SVOC と SVO の両方があるため (A) は SVOC で、(B) はSVO として記載しています。


◎ p1n2 [*2]

 英:He made there {be silence {in {the classroom}}} .

 訳:①彼は ⑮教室 ⑭を ⑪⑨静かな状態に ③させた。

【Hint】使役動詞(ここでは"make")の場合は、目的格補語に原形不定詞("be")を置きます。

【メモ】形態素付き英文では、"make"の用法で SVO で O に原形不定詞を置く用法が辞書に書かれていないため上の様に SVOC のみ記載しています。


◎ p1n3 [*1]

 英:He wants {his son} ⑨{to be {a doctor}} .

 訳:①彼は ⑥息子が ⑬医者に ⑨なることを ③欲している。

【Hint】目的語の位置に "there" では無く名詞句を置く場合(ここでは"his son")は「to不定詞句の意味上の主語」になります。そして "a doctor" は「to不定詞句の意味上の補語」になります。


◎ p1n4 [*1]

 英:She complained {about {there being {little furniture {in {her room}}}}} .

 訳:①彼女は ⑰自分の部屋 ⑯に ⑭家具が ⑬ほとんどない ⑩⑧こと ⑥について ③不満をこぼした。

【Hint】"ger"は"gerund"(動名詞)でここでは動名詞句(名詞句)作っています。

(形)"a little ~"は「少しの~/小さくてかわいい~」、(形)"little ~"は「~は殆ど無い/小さくてかわいい~」、(副)"a little ~"は「~が少しある」、(副)"little ~"は「~が少ししか無い」


◎ p1n5 [*1]

 英:She complained {that there was {little furniture {in her room}}} .

 訳:①彼女は ⑭自分の部屋に ⑬⑫家具がほとんどない ⑨⑦こと ⑥について ③不満をこぼした。

【Hint】日本語訳は上と全く同じです。ここでの "that" は名詞節を導く従属接続詞です。


◎ p1n6 [*1]

 英:{There being {nothing {to do}}} , {I {went to} bed} .

 訳:⑨することが ⑦無かった ④ので、⑬私は ⑱ベッドに ⑮入った。

【メモ】形態素付き英文では、"tif_To" は 「他動詞のto不定詞」で他動詞句より前にある名詞/句(ここでは"nothing")が to不定詞句の意味上の目的語であることを示しています。


◎ p1n7 [*1]

 英:This is {the only difference {(that) there is {( △ ) {between them}}}} .

 訳:①これは ⑲それらの ⑱間に ⑯⑩ある ⑦唯一の ⑧違い ③である。

【メモ】形態素付き英文では、"cS_REL"(連鎖関係詞節の主語)の移動前と移動後の位置を示しています。


◎ p1n8 [*1]

 英:She {is not} {the cheerful woman {{(that) she was} ⑰{before she married}}} .

 訳:①彼女は ⑰結婚前の ⑮⑬⑫のような ⑧陽気な ⑨女性 ③ではない。

【メモ】形態素付き英文では、"before" は "ssc"節内従属節を導く従属接続詞で、"smc"節内主節を修飾することを示しています。



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■■■ 米語発音記号付き英文 ■■■


◎ p1n1 [*1]

  (A) I don'tdóʊnt wantwάnt thereðɛr totu bebi anyˈɛni misunderstandingˌmɪsəndərˈstændɪŋ .

  (B) I don'tdóʊnt wantwάnt thereðɛr totu bebi anyˈɛni misunderstandingˌmɪsəndərˈstændɪŋ .

◎ p1n2 [*2]

  Hehi mademeɪd thereðɛr bebi silenceˈsaɪləns inɪn theðə classroomˈklæsˌrum .

◎ p1n3 [*1]

  Hehi wantswɑnts hishɪz sonsʌn totu bebi aə doctorˈdɑktər .

◎ p1n4 [*1]

  Sheʃi complainedkəmˈpleɪnd aboutəˈbaʊt thereðɛr beingˈbiɪŋ littleˈlɪtəl furnitureˈfɜrnɪʧər inɪn herhɜr roomrum .

◎ p1n5 [*1]

  Sheʃi complainedkəmˈpleɪnd thatðæt thereðɛr waswəz littleˈlɪtəl furnitureˈfɜrnɪʧər inɪn herhɜr roomrum .

◎ p1n6 [*1]

  Thereðɛr beingˈbiɪŋ nothingˈnʌθɪŋ totu dodu , I wentwɛnt totu bedbɛd .

◎ p1n7 [*1]

  Thisðɪs isɪz theðə onlyˈoʊnli differenceˈdɪfərəns thereðɛr isɪz betweenbɪˈtwin themðɛm .

◎ p1n8 [*1]

  Sheʃi isɪz notnɑt theðə cheerfulˈʧɪrfəl womanˈwʊmən sheʃi waswəz beforebɪfˈɔɚ sheʃi marriedˈmɛrid .

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■■■ IPA & Jones 発音記号テーブル ■■■

https://agoandnew.com/tools_info/023_ipa_and_jones_table.php


※ 発音記号はいろいろなサイトから集めていますため、

  分りやすいように簡単な発音方法の説明を用意しました。

  英語の発音をマスターしたい方はこちらもどうぞ。



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■■■ 形態素付き英文 ■■■


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■ 「丸暗記厳禁主義・英文法道場」さんのサイトの「SVに準じるthere is/areに関すること」というページを参考にしました。


今回色々と本来作ってあった形態素名が増えています。"tif_S"が to不定詞の意味上の主語だとか、"rif_S"が原型不定詞の意味上の主語だとか、rif_SPR:原型不定詞の意味上の仮主語だとか書いていますが、以前に書いてますようにこれらは本来の主語とはちょっと違う意味があるんだ、という程度に認識してくれれば良いと思います。


英語で最も難解なのが、副詞/副詞句/副詞節 や 形容詞/形容詞句/形容詞節 が修飾している相手が何処なのか? というもので、これは日本人にとってはとても理解し辛いものだと思います。


このある修飾語が直後の語を修飾していない場合は、なるべくどこの語を修飾しているのかを明示するようにしています。


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◎ p1n1 [*1]

 英:(A) I⑪S don't want⑬Vt O{there⑱tSPR} C{to be㉑tif_I tS{any㉕adj misunderstanding㉖n}} .

   (B) I㉛S don't want㉝Vt O{there㊳tSPR to be㊵tif_I tS{any㊹adj misunderstanding㊺n}} .

 訳:(A) ⑪私は ㉕いかなる ㉖誤解も ㉑⑱あって ⑬欲しくない。

   (B) ㉛私は ㊹いかなる ㊺誤解も ㊵㊳あって ㉝欲しくない。

【Hint】there構文を SVO に当てはめる場合は、there を(仮)主語にして SV there to do S' の形になるとのこと。

【メモ】"tSPR"(to不定詞句の意味上の仮主語) , "tif_T"(自動詞のto不定詞) , "tS"(to不定詞の意味上の主語) をそれぞれ示しています。"want"の用法には SVOC と SVO の両方があるため (A) は SVOC で、(B) はSVO として記載しています。


◎ p1n2 [*2]

 英:He①S made③Vt O{thererSPR{ adv }} C{be⑨rif_I silence⑪rS{ n } rMv{in⑭pre the classroom⑮pO{ ar + n }}} .

 訳:①彼は ⑮教室 ⑭を ⑪⑨静かな状態に ③させた。

【Hint】使役動詞(ここでは"make")の場合は、目的格補語に原形不定詞("be")を置きます。

【メモ】"make"の用法で SVO で O に原形不定詞を置く用法が辞書に書かれていないため上の様に SVOC のみ記載しています。


◎ p1n3 [*1]

 英:He①S wants③Vt{ vs } O{his son⑥tS} ⑨C{to betif_I a doctor⑬tC} .

 訳:①彼は ⑥息子が ⑬医者に ⑨なることを ③欲している。

【Hint】目的語の位置に "there" では無く名詞句を置く場合(ここでは"his son")は「to不定詞句の意味上の主語」になります。そして "a doctor" は「to不定詞句の意味上の補語」になります。


◎ p1n4 [*1]

 英:She①S complained③Vt{ vp } O{about⑥pre pO{there⑧gSPR being⑩ger_I gS{little⑬adj furniture⑭n MJ⮜{in⑯pre her room⑰pO{ psAdj + n }}}}} .

 訳:①彼女は ⑰自分の部屋 ⑯に ⑭家具が ⑬ほとんどない ⑩⑧こと ⑥について ③不満をこぼした。

【Hint】"ger"は"gerund"(動名詞)でここでは動名詞句(名詞句)作っています。

(形)"a little ~"は「少しの~/小さくてかわいい~」、(形)"little ~"は「~は殆ど無い/小さくてかわいい~」、(副)"a little ~"は「~が少しある」、(副)"little ~"は「~が少ししか無い」


◎ p1n5 [*1]

 英:She①S complained③Vt O{that⑥cj there⑦SPR was⑨Vi S{little⑫adj furniture⑬n ⑭MJ⮜{inpre her roompO}}} .

 訳:①彼女は ⑭自分の部屋に ⑬⑫家具がほとんどない ⑨⑦こと ⑥について ③不満をこぼした。

【Hint】日本語訳は上と全く同じです。ここでの "that" は名詞節を導く従属接続詞です。


◎ p1n6 [*1]

 英:scA{TherevgSPR being④ving_I vgS{nothing⑦ind MJ⮜{to do⑨tif_To}}} , mcA{I⑬S went to⑮Vt bed⑱O} .

 訳:⑨することが ⑦無かった ④ので、⑬私は ⑱ベッドに ⑮入った。

【メモ】"tif_To" は 「他動詞のto不定詞」で他動詞句より前にある名詞/句(ここでは"nothing")が to不定詞句の意味上の目的語であることを示しています。


◎ p1n7 [*1]

 英:This①S is③Vi C{thear only⑦adj difference⑧n rc{(that)⑩cS_REL▶8★ thereSPR{ adv } isVi{ vs } S{(△)⑯cS_REL彡 MJ▶16{between⑱pre them⑲pO{ oc }}}}} .

 訳:①これは ⑲それらの ⑱間に ⑯⑩ある ⑦唯一の ⑧違い ③である。

【メモ】"cS_REL"(連鎖関係詞節の主語)の移動前と移動後の位置を示しています。


◎ p1n8 [*1]

 英:She①S is not③Vi{ vr + adv } C{thear cheerful⑧adj woman⑨n rc{smc{(that)⑫C_REL▶9★ she⑬S was⑮Vi{ vp }} ⑰ssc{beforecj sheS marriedVi{ vp }}}} .

 訳:①彼女は ⑰結婚前の ⑮⑬⑫のような ⑧陽気な ⑨女性 ③ではない。

【メモ】"before" は "ssc"節内従属節を導く従属接続詞で、"smc"節内主節を修飾することを示しています。


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■■■ 形態素マーカー・一覧 ■■■

◆ C:補語 ◆ MJ:形容詞句/節 ◆ MJ⮜:後置形容詞節/句/語,直前の名詞(or句)を修飾する ◆ O:目的語 ◆ S:主語 ◆ SPR:仮主語 ◆ Vi:述語(自動詞) ◆ Vt:述語(他動詞) ◆ gS:動名詞の(意味上の)主語 ◆ gSPR:動名詞の(意味上の)仮主語 ◆ ger_I:(自)動名詞 ◆ mcA:主節(A) ◆ pO:前置詞の目的語 ◆ rMv:原形不定詞句の述語動詞を修飾する修飾語句 ◆ rS:原型不定詞の(意味上の)主語 ◆ rSPR:原型不定詞の(意味上の)仮主語 ◆ rc:関係詞構文 ◆ rif_I:(自)原型不定詞 ◆ scA:従属節(A) ◆ smc:節内主節 ◆ ssc:節内従属節 ◆ tC:to不定詞の補語 ◆ tS:to不定詞の(意味上の)主語 ◆ tSPR:to不定詞の(意味上の)仮主語 ◆ tif_I:(自)to不定詞 ◆ tif_To:(他)to不定詞(不定詞句の前にある名詞/句が潜在目的語) ◆ vgS:現在分詞の(意味上の)主語 ◆ vgSPR:現在分詞の(意味上の)仮主語 ◆ ving_I:(自)現在分詞 ◆ ★:(省略語句) ◆ 彡:(関係詞/疑問詞の元の位置)

◆ adj:形容詞 ◆ adv:副詞 ◆ ar:定冠詞/不定冠詞 (the,a,an のみ) ◆ cS_REL:連鎖関係詞節の主語(移動前&後) ◆ cj:(従属)接続詞 ◆ ind:不定代名詞 ◆ n:名詞 ◆ oc:(代)名詞・目的格 ◆ pre:前置詞 ◆ psAdj:所有形容詞 ◆ vp:動詞・過去形 ◆ vr:動詞・原形 ◆ vs:動詞・三人称単数現在形

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■■■ 出典元リスト ■■■

[*1] http://blog.livedoor.jp/eg_daw_jaw/archives/50529476.html

[*2] http://www.asahi.com/english/weekly/0806/05.html


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